「フリークエンシー」と「リーチ」。
この言葉について、Web広告に携わっている人なら必ず耳にしたことがあるのではないでしょうか。Webに携わり始めたばかりという方のなかには、聞いたことがあるけれどよく意味が分からない、違いが分からないという方も少なからずいらっしゃるかと思います。そこで今回はこれらの言葉の意味や違いを解説していきたいと思います。
この記事を読み終えた頃には意味はもちろん、基礎的な知識、数値の増減でどういったことが起こるのか、どういった変更で数値が変動するのか、またメリットとデメリットはなにかを分かるようになっていただけるのではないかと思います。
目次
Web広告ではなにかと専門用語がよく飛び交い略語も多いです。その中でもまずは特に勘違いしやすいフリークエンシーとリーチの意味や違いについてや、これだけは知っておいた方が良いのではないかという項目について解説していきます。
フリークエンシーは直訳すると「頻繁」「回数」「頻度」です。フリークエンシーとは、1人のユーザーに広告が何回表示されたかという接触の頻度をさす言葉です。
対してリーチは直訳すると「届く」「達する」という意味です。よく、~のリーチが長いなんて言いますよね。Web広告でいうリーチは広告を見たユーザー数、その広告がどれくらいの人に届いたかを示す数値になります。
前述したようにフリークエンシーは1人に何回表示されたかという数値、リーチは何人に表示された、届いたかという数値になります。最初は紛らわしいですが要は表示回数なのか、人数なのかです。全く違う指標となりますので混同しないように注意しましょう。
リーチとフリークエンシーの違いが何か分かったところで、リーチとフリークエンシーをもう少し深堀していきます。まずはフリークエンシーから解説していきますので理解して正しく数値を読み取りましょう。
さて、まずはフリークエンシーの計算方法からですが、ここまでの解説でピンと来ている方もいるかもしれません。その人に何回表示されたかを計算するには、
以下の計算式で求めることができます。
シンプルに総表示回数を表示された人で割れば、一人当たり広告が何回表示されたのかを知ることが出来ます。
成果を出していくにはフリークエンシーって何回が最適なの?と思われた方もいるかもしれません。しかし、それは商材や業種、ターゲット設定によって全く変わってくるため一概にお答えすることはできません。
広告を配信する商材でどのくらいのフリークエンシーが最もコンバージョン単価(広告を配信する上で、優先する指標は目的によって変わります)が良いかをテストしていく必要があります。さらに、配信する広告の目的が認知なのか獲得なのかによっても変わってくるかと思います。
こう思われた方もいるかもしれません。「フリークエンシーが高い数値になると、一人のユーザーが何度も同じ広告を見ていることになるのだから、認知や獲得に関して成果が上がるに決まっている!」。
しかし、そうとは言い切れません。そこで、続いてフリークエンシーが高くなった時のメリット、デメリットと低くなった時のメリット、デメリットを見ていきましょう。
一人のユーザーに何度も広告が表示されることで、認知獲得が期待できます。また、そこから購入や問い合わせに繋がることもあります。
Webサイトを閲覧している時、またYouTubeを見ている時何度も同じ広告、同じ企業の広告が何度も表示されることがあります。私はYouTubeやWebサイトをおそらく人並み以上に見るのですが同じ動画広告や、違うパターンの動画広告、バナー広告が何度も流れてきます。
確かにその商品について覚える気がなくても覚えてしまいますし、気になる商品、サービスである場合は広告をクリックしてしまいます。
皆様も商品が良ければいざ購入や問い合わせをする際に比較、検討に名を連ねているなんてこともあるのではないでしょうか。
フリークエンシーが高い場合のデメリットはユーザーに何度も表示されているということですので、やはり鬱陶しいなどのマイナスイメージを持たれてしまう可能性があることです。
前述したように私はWebサイト、YouTube、SNSを多くの時間使用しています。しかし職業柄どんなに同じ広告、同じ企業の広告が配信されても「こんな動画広告作るのか」「なるほど、違うパターンはそういう訴求か」「かなり広告費用を投下しているな」など興味深く見てしまいますので、マイナスイメージは一切持ちません。
しかし多くの方は違い、やはり広告に対して鬱陶しいとイメージを抱いてしまう人もいます。お気に入りのYouTubeを見ているのに何度も同じ広告が出てきて「この広告鬱陶しい!」そう思われる可能性も0ではありません。
商品やブランドの認知、獲得を目指して広告配信しているにも関わらずネガティブなイメージで商品を覚えられると元も子もありません。
もう一点、デメリットとしてはクリック単価、CPMが高騰する可能性があります。徐々にクリック率が悪くなっていき、クリック単価が高騰してきた・・・その原因はフリークエンシーだったということもあります。
それが意図しない場合は改善していく必要があります。改善方法は後ほど解説します。クリック率やコンバージョン単価の変動を見て最適なフリークエンシーにしましょう。
フリークエンシーが低いということは、ユーザーがあまり被ることなく広告を配信できているということですのでどんどん新たなユーザーに広告を見せたい、サイトに来てほしい場合に有効です。
また、新規ユーザーばかりに配信できているので、フリークエンシーが高い場合と比較して頻繁なクリエイティブ変更が必要ありません。また、先ほど挙げたクリック単価の高騰が起こりづらいというメリットもあります。
デメリットとしては、獲得見込みのあるユーザーだったにも関わらずその機会を逃してしまう可能性があるということです。
何度も広告が配信されてネガティブなイメージを持つ人もいればその反面購入、申し込みをする人もいます。また、時期を変えて違う訴求のクリエイティブを見せていく、というのも効果的な配信方法ですが、フリークエンシーが低い場合、そもそも同じ人に当たっていないため見ていない、覚えていない等の理由から最大の効果は得られないかもしれません。
冒頭でも説明した通り、商材や業種、目的、ケースによって変わってきますので最適なフリークエンシーは?という質問に対してこれという数値を断言できないのはこういった理由からです。
続いてフリークエンシーを高くしたい、またはもっと低くしたいといった場合にどういった改善をすれば、数値が上がったり下がったりするのかを説明していきます。あくまでケースによって変わりますので一例となります。
広告配信していると以前よりも配信パフォーマンスが落ちてきた。思ったよりもフリークエンシーが高くなってきていたので下げたい。
そんなとき、フリークエンシーを下げるのではなくまずはクリエイティブの変更をしましょう。クリエイティブを変更することでネガティブなイメージを持たれづらく、以前のクリエイティブではクリックしなかったユーザーにもクリックされ成果向上に繋がる可能性があります。
それでも改善しない場合はフリークエンシーを下げてみましょう。
1つ目は、興味関心、ユーザー属性、地域といったターゲティングを広げることで、配信ユーザーの母数が多くなりますのでフリークエンシーを低くすることが出来ます。
合わせて予算を増額する際は注意が必要です。そのタイミングで増額する際は数値をこまめに確認しながら配信しましょう。
2つ目はフリークエンシーキャップの設定ですが、こちらは後ほど解説します。
思っていたようにフリークエンシーが高くならない、そんなときは前述した内容の反対を試します。配信するターゲティングを絞り、ユーザー母数の数を少なくする、予算を増額する等です。
各媒体で確認できる推定オーディエンス数を確認して、ある程度予測することが出来ますので活用しましょう。
先程、フリークエンシーが高くなってきたときはフリークエンシーキャップの設定をしましょう、とお伝えしました。フリークエンシーキャップは広告管理画面で設定でき、設定した回数までしか表示されなくなる非常に便利な機能です。
段階的にテストするために狙いたい表示回数を設定するときや、最適なフリークエンシーが決定した際にフリークエンシーキャップを設定することで無駄な広告費を投下せずに済みます。
フリークエンシーキャップは各媒体の管理画面で、ディスプレイキャンペーンや動画キャンペーンに設定します。広告の表示回数を日単位、週単位、月単位から制限回数を指定でき、さらにその制限をどの階層(キャンペーン、広告グループ、広告)に適応するかを設定できます。
例えばキャンペーン単位で10回/日を設定したとします。そのキャンペーン配下に2つの広告グループがある場合、2つの広告グループで広告の表示が合計10回に制限されます。
続いて広告グループに適応した場合、その広告グループ内の広告で10回に制限されます。
この時設定できる表示回数は整数のみで、10.5回などは設定できません。
フリークエンシーキャップの算定に使われるのは視認範囲のインプレッションです。
通常のインプレッションではなく、「視認範囲」つまり、その広告が視認可能だった場合にのみ、フリークエンシーキャップの算定に使われます。視認可能の判断基準は、ディスプレイ広告では、広告の面積50%が1秒間以上、動画広告では2秒間以上画面に表示された場合となっています。
Googleでは視認範囲のインプレッション、Yahoo!ではビューアブルインプレッションと言われています。
上記のようにフリークエンシーキャップを利用し、最も成果が出るフリークエンシーを模索していきます。1~5回なのか10回~、20回以上なのか・・・クリック率やコンバージョン単価などの各数値を見てその商材に適した設定にしていきましょう。
フリークエンシーに関して基礎的なことをご説明しました。続いて、リーチです。
リーチも計算で求めることが出来ます。計算式は、以下にて求めることができます。
表示回数を一人当たり表示された回数で割ってあげると、何人にリーチしたかを調べることが出来ます。
よく間違いが起こるのが、リーチとインプレッション(表示回数)です。
となるため、例えば1人のユーザーが10回広告を見た場合、リーチは1となり、インプレッションは10となります。リーチを確認することで、配信している広告が一体どれくらいのユーザーに届いているのかが確認できるため、マーケティングの重要指標とされています。
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リーチとフリークエンシーについて解説してきました。ここまで読んで頂けたのであれば、基本的な部分は理解して頂けたかと思います。
今回扱ったリーチとフリークエンシーはディスプレイキャンペーンや動画キャンペーンにとって広告成果を上げていく上で非常に重要な指標となりますので、単純に表示回数だけでどれだけ届いたかを判断せず、リーチとフリークエンシーをもってもう一歩踏み込んでみて頂ければと思います。
これらの内容を理解して、実際に数値を見ながらテストしていくことで運用型広告の真価が発揮されますので、各商材の広告の目的に沿った設定を行い、マーケティング戦略に活用していっていただければと思います。
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