あなたは「IPアドレス」の意味や仕組みをご存知ですか? インターネットや通信技術に触れる際、よく見聞きする「IPアドレス」。ネット・通信の内容は難しそう……と理解を諦めている方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今回はIPアドレスの概要や仕組み・確認方法や活用方法についてご紹介します。
目次
IPアドレスとは、「Internet Protocol Address」の略で、インターネット上の住所とも言われ、インターネットに接続されている機器にそれぞれ割り振られた識別子を意味します。「識別子」とは、個々を区別する際に用いられる数字や番号のことで、ここではネット接続している機器を分類するものと考えてください。
IPアドレスは一般的にピリオド(.)で4つに区切られた数字の羅列によって構成されています。例えば「139.4.281.36」のような数字です。インターネット上の通信活動では、このIPアドレスで個々の機器を割り出し、やりとりを行います。
IPアドレスの形式について、もう少し詳しくご説明します。IPアドレスは「IPv4」と「IPv6」という2つの形式に分かれています。
「IPv4」とは、「Internet Protocol Version 4」の略で、先ほどご説明したピリオドで4つに区切られた数字の羅列です。細かくは8ビットの情報を10進数で表した計32ビットのIPアドレスのことをいいます。
一方、「IPv6」とは、「Internet Protocol Version 6」の略で、16ビットずつコロン(:)で8つに区切られた数字の羅列を指す、128ビットのIPアドレスです。これは当初、約43億通りもあるIPv4形式のIPアドレスが、インターネットの普及により不足してきたため、新たに用意されるようになりました。
次にIPアドレスの構成についてみていきましょう。IPアドレスは大きく分けて「ネットワーク部」と「ホスト部」の2つの部分で構成されています。ネットワーク部はネット接続する国やISP(プロバイダ)によって数値が異なります。
一方、ホスト部は接続しているネットワーク内のどの機器に接続しているかを表します。機器の数が増えるにつれて数字が増える仕組みなので、数字の大きさがネットワークの規模を意味します。
ネットワーク部とホスト部の区別は、IPアドレスによって異なり「クラスフルアドレス」と「サブネットマスク」の2つがあります(現在はサブネットマスクが主流です)。
クラスフルアドレスとは、IPアドレスをA〜Eの5種類のクラスに分類し、IPアドレスの先頭1〜4ビットまでのビット列の組み合わせで分離するクラスを判別する方式です。クラスアドレスの場合、ネットワーク部とホスト部の切れ目が定まっていません。
一方、サブネットマスクとは、IPアドレスと同様に32ビットの正整数値で構成されており、IPアドレスのネットワーク部が「1」、ホスト部が「0」となります。このようにIPアドレスとサブネットマスクを組み合わせることで、ネットワークの範囲を正しく指定できます。
IPアドレスについて触れると「URL(ドメイン)と何が違うのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。IPアドレスもURL(ドメイン)も、どちらもインターネットにおける通信元・通信先の識別子であることは同じです。
それぞれの違いは表示方法と概念が異なる点です。IPアドレスはここまでご説明したように番号でのみ表示され、インターネットへ接続するルータや機器の通信先を分類する識別子。URL(ドメイン)は英数字で表示され、インターネット上のWebサイトやWebコンテンツを分類する識別子、という違いがあります。
ここまで、IPアドレスの意味や形式・構成・URL(ドメイン)との違いをご説明してきました。続いては、IPアドレスの種類を「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」に分けて解説していきたいと思います。
グローバルIPアドレスとは、パブリックIPアドレスとも呼ばれ、インターネットに接続されているルータや機器・コンピュータにそれぞれ割り振られたIPアドレスのことです。
いわゆる、一般的なIPアドレスとして認識されているもので、インターネットに接続した際、その接続機器を通じて”ネット上の住所”が発行されます。グローバルIPアドレスはさらに「変動(動的)IPアドレス」と「固定(静的)IPアドレス」に分類されます。
変動(動的)IPアドレスとは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)が、一時的に割り当てるIPアドレスです。インターネット接続ごとに順次割り当てられるため、都度、IPアドレスは変更します。フリーWifiなど、個人に提供されるインターネット接続サービスの場合に適用されることが多いです。
固定(静的)IPアドレスとは、インターネットに接続するルータや機器・コンピュータをそれぞれ分類するために重複することのないIPアドレスです。
変動(動的)IPアドレスとは異なり、何度インターネットにアクセスしても同じIPアドレスとなります。固定(静的)IPアドレスを利用することで、効率的な自宅サーバの構築に役立ったり、自宅のパソコンを出先から遠隔操作することができます。
プライベートIPアドレスとは、会社内だけの利用などプライベートネットワーク(ローカルネットワーク)内でのみ割り振られるIPアドレスのことです。プライベートネットワーク外には適用されず、インターネット上にもIPアドレスが公開されることはありません。
では、実際にネット接続している自分にどんなIPアドレスが割り振られているか確認するには、どうすればいいのでしょうか? IPアドレスは社内のSE(システムエンジニア)との連携や通信に関する何かしらの対応をする際に必要となります。ここでは「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の確認方法について解説します。
インターネットに接続したルータや機器それぞれに割り当てられたグローバルIPアドレスの確認方法は、とてもカンタンです。少し技術的に凝った方法をとるなら、ターミナル画面からコマンドを打って確認する方法もありますが、ただ単にグローバルIPアドレスを知りたいだけであれば、「確認くん」にアクセスするだけでOKです。
この「確認くん」にアクセスすると、現在ネット接続している”あなたのIPアドレス(IPv4)”を即座にチェックすることができます。また、補足ではありますが、「OSの解像度」や「現在の使用ブラウザ」なども確認することができます。
プライベートIPアドレスの確認方法は、使用OSがWindowsかMacかで異なります。Windows 10の場合、以下の手順でプライベートIPアドレスをチェックすることができます。
Macの場合は、以下の手順でプライベートIPアドレスをチェックすることができます。
それでは最後に、IPアドレスをWebマーケティングの現場で活用するなら、どのような方法があるのかについて解説します。インターネット上の住所であるIPアドレスをうまくWebマーケティングに活用し、より効果的な施策運営に取り入れましょう。
IPアドレスをWebマーケティングに活かす場面は、特にBtoBビジネスで価値を発揮します。現在では、Web上のフリーツールやMA(マーケティングオートメーション)ツールを利用すれば、IPアドレスからネット接続した「国」「都道府県」「市区町村」「組織(企業名・業種区分)」などの幅広い情報を知ることができます。
もし、自社サイトやサービスに来訪したユーザーのIPアドレスが分かれば、具体的にどのような属性のユーザーが濃いターゲットかわかりますよね。また、ユーザーがネット接続した会社(つまり所属企業)が分かれば、直接その企業に営業ができるかもしれません。
こうした自社サイトやサービスに来訪したユーザーのIPアドレスは、Google AnalyticsやIP解析ツール・MAツールを活用することで分析することができます。なお、MAツールとは、Webマーケティングのユーザーとのコミュニケーションを自動化させるために開発されたツールのことです。
リスティング広告やディスプレイ広告を出稿している場合、不要な広告費の発生を抑えるために自社のIPアドレスを除外しておくことが必要です。自社のIPアドレスを除外することで、自社のIPアドレス経由でネット接続したユーザーには広告が出稿されません。
社内のIPアドレスは複数存在するケースがあるので、事前にどのような社内IPアドレスがあるのか正確に把握しておきましょう。また、動画キャンペーンやアプリ キャンペーン・スマート ディスプレイ キャンペーンでは除外することができないので注意が必要です。
自社のIPアドレスを広告表示対象から除外する方法は以下です。
IP分散は、同じIPアドレスからの被リンクが集中するのを避け、IPアドレスを分散させることをいいます。そもそもなぜ、IP分散をWebマーケティングで行う必要があるのかというと、SEO施策の点でGoogleからペナルティを受ける可能性があるためです。
本来的には被リンクつまり外部サイトに設置された自社サイトへのURLは、自社サイトの価値を表す指標としてGoogleに評価されていました。
しかし、むやみやたらに被リンクを集めるサイトが増えたため、ペナルティのチェックが厳しくなりました。同じIPアドレスから被リンクがたくさん集まっているサイトは、ペナルティ対象になる可能性が高くなるのです。その点から、同じIPアドレスからの被リンクが集中していないか確認し、過度に集中している場合はIP分散を行う必要があるといえるでしょう。
インターネットの通信に関する内容は、複雑な技術の話が多いため、理解が難しいものです。IPアドレスに関する理解も、そのひとつといえるでしょう。
しかし、IPアドレスはWebマーケティングの施策を進めるうえで理解を迫られる場面があり、理解したうえで分析や改善に応用できるかで、事業成長の確度が変わってきます。Webマーケターが細部まで専門的に理解する必要はないと思いますので、全体の概要はざっくりで構わないので抑えておくようにしておきましょう。
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