「Search Generative Experience(SGE)」とは、Google検索で生成AIによる回答を得ることができる、GoogleのAIサービスです。
今回はそのGoogleの「Search Generative Experience(SGE)」についてご紹介します。
※ 2024年5月にアメリカでGoogleがSGEの名称を「AI Overview」に変更しましたが、本記事公開段階では日本での導入がされていないため、名称を「SGE」として記載しています。
SGEとは、Search Generative Experienceの略で、生成AIを組み込んだ検索エンジンによる新機能のことです。
2024年現在のSGEが導入されていない従来の検索結果は、ユーザーの検索クエリに対して最適と判断されたウェブサイトやSNS、動画などが検索結果一覧として表示されます。
一方、SGEが検索に導入されると、ユーザーの検索クエリに合わせて、AIによって自動生成された回答が、検索結果へ表示されます。
2024年4月現在、SGEは試験運用のため、Search Labsに登録しているユーザーのみの表示となっていますが、今後どのデバイスでも確認ができるようになるかもしれません。下記は実際にSGEを利用して検索した結果です。
現状はユーザーの検索クエリによって、SGEの検索結果が表示されるものとされないものがあり、表示についてはGoogle側独自のルールで決められているようです。
「SEOとは」のキーワードでは検索結果の表示は対応していないようですが、「SEO対策とは」に関しては反応しています。できるだけ検索意図が明白なキーワードを選定することでSGEに反映されやすい・されづらいなどがあるのかもしれません。
今までの検索行動では「ユーザー自らが、検索結果の中から知りたい情報をクリックしてWebサイトを閲覧する」という自発的な行動により情報を入手できましたが、今後、SGEによる生成AIが導入されることでより効率的に知りたい情報を手に入れることができます。
例えば、「3月のコアアルゴリズムアップデートの情報」と検索した際の検索結果を比較してみます。
従来の検索結果では上位表示のサイトから様々な見解や情報を収集し、ユーザー自身がその情報を整理する必要があります。
特にコアアップデートはGoogleから正式に変更した部分のリリースが出ないため、各社の見解を参考に幅広く情報を収集する必要があります。
SGEを利用した検索結果は上記の通りです。さまざまなサイトの見解や情報をAIが整理し、まとめたテキストを生成しています。
それぞれ、引用された情報は矢印をクリックすることで確認することができます。
SGEは検索結果を表示させるだけでなく、さらに気になったことを質問して回答が得られたり、先述の通り引用元にすぐにたどり着けるような構成となっていたり、より深いリサーチをすることができます。
一度SGEの画面が表示されると「もっと聞く」の枠が表示されるため、そこから追加の質問ができます。
2023年10月には画像生成と文章生成の機能が追加されました。(※現在は米国のSGEにオプトインしている18歳以上の適用となっています。)
下記は、「シェフの帽子をかぶって森の中で朝食を作り、ベーコンを焼いているカピバラの写実的な画像」と指示した場合の生成結果ですが、かなり精度の高い画像が生成されていることがわかります。バナーの制作などのクリエイティブ制作に貢献しそうです。
現在は英語版のGoogleのSGE機能のみですが、文章の作成機能が追加されています。
どのような文章を書きたいかを指示をすることで、AIによって文章が生成されますが、この機能のなかでもより有効的なものはGmail や Google ドキュメントなどのGoogleツールにエクスポートができる点です。
文章をSGEで生成し、結果をそのまま反映できる点は、今まで転記や何度も内容を確認する手間が省ける可能性がありそうです。
今までの説明から実際に自分のGoogle検索画面でも試してみたい方がいらっしゃるのではないでしょうか。導入方法を下記の通りご紹介しますので、是非試してみてください。
・まずはSearch Labsに登録
https://support.google.com/websearch/answer/13572013?visit_id=638473050827181596-1906168544&rd=1
必要条件は下記となるのでご注意ください。
・Search LabsでGoogleアカウントログイン
https://labs.google.com/search/home?is=so
・SGEを有効にするボタンを有効にする
⇒参照元:https://www.webjapan.co.jp/blog/google-search-lab-how-to-regist/
・「Google利用規約」、「生成AI追加利用規約」に同意
・検索画面にSGEの結果が表示されたら設定完了
・Search Labsに登録
https://support.google.com/websearch/answer/13572013?visit_id=638473050827181596-1906168544&rd=1
・Google検索画面からフラスコのアイコンをクリック
⇒参照元:https://keywordmap.jp/academy/sge/
・「SGE」の体験サービスを有効化
パソコンと同様にボタンを有効化することでモバイルでもSGEの体験をすることが可能です。
検索をして、結果一覧から自分でサイトを選択する手間が削減できるので、効率的に情報を入手することが可能です。しかし、SGEの結果だけを鵜呑みにするのは危険です。
2次転用する場合などは、その情報が信頼のおけるものなのか、引用元やその他のサイトで得られる情報の詳細を総合的に確認する必要はありそうです。
現状は英語圏のみのサービスではありますが、SGEの文章の生成機能を使用すれば、文章を生成した後エクスポートし、表現の修正などを行うことでメール文の作成や長文の要約といった作業を一から考える手間が省けます。
画像生成に関しても同様で、難易度の高くないクリエイティブ作成(サイト内バナーの設定など)に関しては大幅に効率化できる可能性があります。
ただし、文章や画像生成機能はあくまでもAIによる生成であり、細やかな修正はできないため目的やシチュエーションで使い分ける必要がありそうです。
これまでの検索結果ではユーザーがウェブサイトに訪問することで情報を得る形でしたが、SGEが導入された場合、ユーザーが知りたい内容が検索結果に表示されるため、そこで問題が解決してしまう可能性があります。
そのため、サイトのトラフィックは一定数減少する可能性が考えられます。特に、言葉の意味など、定義が不変的で、それ以上の探求が必要のない検索においてはそのような傾向が強く出ると考えられ、そういったキーワードを狙ったウェブサイトへのトラフィック獲得は、今後難しくなる可能性が高いと想定されます。
しかし、キーワードや求める情報の粒度によってユーザーはさらに深い検索行動を起こすことも十分に考えられるため、一概には言えません。
実際に、ナイル株式会社が行ったSGE使用時のユーザー検索行動のアンケートではSGEに表示されたテキストでは解決には至らず、表示された記事コンテンツを探したり、通常の検索画面と同様にその他の情報源を探したりするユーザーが一定数いることがわかっています。
上記の調査結果に基づくと、引き続きユーザー視点からのコンテンツ生成やSEO対策は今後も必須になることが考えられるでしょう。
SEO対策をする上で、SGEの登場は大きな変化になると想定されます。先に挙げたようなトラフィックの減少といった喜ばしくない変化も起きると考えられますが、良い側面もあります。
SGEは現状のSEOの順位とは関係なく、できるだけ“多様性のある検索結果“を引用して情報提供するよう意識して作られていると考えられています。
そのため、これまでは良質な情報を提供しているにも関わらず、何らかの理由で上位に露出することが難しかったようなサイトでもSGEの引用元として起用されることで、検索結果の順位に関係なく、露出が多くなることも考えられるでしょう。
SEOは検索エンジンがWebサイトを評価して上位表示するかを決定するアルゴリズムに対する施策ですが、SGEはAIが検索エンジン上に存在している数多のWebサイトから適していると思われる情報を拾って生成し、表示するもののため、性質の異なるものとなっています。
SGEで露出を増やすためにできることは何か、SEO会社として考えられるSGE対策を紹介します。
SGEが登場したとしても、Googleはどれだけユーザーのニーズを満たしたかに対してサイトを評価していくことに変わりはありません。EEATを考慮したユーザー目線でのコンテンツ制作やサイトのユーザビリティ改善など今までより深く行っていくことが今後も需要です。
SGEには、検索結果の表示の下に「関連する質問」の項目があります。
「3月のコアアップデートの情報」のSGE検索結果の下に関連する質問の枠が出てくるので「検索エンジンのアルゴリズムの重要なアップデートとは?」を試しに押してみると更なる検索結果が表示されます。
このように一つのキーワードでなく、関連キーワードも網羅的に対策することで出現率を高め、ユーザーのサイトへの誘導を施策することも対策の一つだと考えられます。
近年、AIの台頭など時代の変化が目まぐるしく、ユーザーのニーズ・多様性も増しています。今までは一つのキーワード対策でトラフィックを得ることができていたものが、様々なフェーズ・環境のペルソナを考え、施策を考えていくことへの重要性が増しています。
SGE対策も、検索結果を定期的に確認し、市場ニーズをいち早くキャッチしながら自社サイトの方向性やコンテンツの内容を見直す期間を多くする必要があるでしょう。
生成AIを活用して新たな検索体験を生み出すGoogleの「SGE」についてご紹介しました。SGEはまだ試験運用中となり、正式なリリースはされていないため、今後も機能の追加が期待できそうです。
当社もSEO会社として、今後の動向を探りながらより良い対策方法を模索していきたいと思います。
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