こんにちは、デジタルマーケティング研究所です。
この記事では「ブランドサイト」と「サービスサイト」がどういったサイトであるかを調べ、理解し、その違いや共通点を考えていきます。
最後に「コーポレートサイト」との違いも確認しながら理解を深めていきますので、今後のWEBマーケティングやサイト運営にぜひ役立ててください。
ブランドサイトとは
ブランドサイトは「ブランディングサイト」とも呼ばれ、ブランディングを目的として作られたサイトのことです。
つまり「企業が持つ商品・サービスなど、独自の魅力や信頼性、価値(ブランド)の認知を広げ、かつ高めていく(ブランディング)ことに特化したサイト」です。
わかりやすく言い換えると、企業の「らしさ」を伝え、「イメージ」の向上を図る役割を担っているサイトになります。
ブランドサイトはブランディングツールの一つ
ブランドサイトは「CM」や「パンフレット・企業案内」と同様に、ブランディングツールの一つです。
ブランドサイトは、以下のようなWEBサイトならではの特長を持っています。
- 常に最新の情報をユーザーに伝えることが可能
- いつでも情報を伝えることが可能
- 情報量に制限がない
これらの強みを持っているため、他のブランディングツールのハブ(中心地)やツール間の架け橋として活躍することが多々あります。
例えば「詳しくはWEBで」といった文言を耳にすることがあると思いますが、これはブランディングサイトを「情報のハブ(中心地)」として利用している一例です。
情報量や情報に触れる機会において他ツールより制限が少ないブランディングサイトは、ブランディング戦略の中心ツールとして活躍できるのです。
ブランドサイトの役割
先程ブランドサイトの役割として、「企業の『らしさ』を伝え『イメージ』の向上を図る」とお伝えしましたが、より具体的な例を挙げてみましょう。
例えば、歴史ある企業の節目節目において、
- 周年記念を外部に伝え、企業の永続性をイメージさせる
- ロゴ変更を伝え、企業の新しい姿勢・イメージを伝える
といった役割で制作されることがあります。
また食品・化粧品メーカーやいわゆる「ブランドメーカー」では、
- 新しいサービス・商品の告知、告知ツールのハブ(中心地)
- ユーザーの購買意欲を高めてECサイトへ誘導する
といった役割のもと、ブランディング戦略にあわせて設計・構築されることが多く見られます。
特に新しい商品(シリーズ)告知では、ブランドサイトは当たり前のように活用されており、さまざまなサイトが制作されています。
具体例
ブランドサイト設計の特徴
ブランドサイト設計の大きな特徴の一つに、ビジュアル(画像)の使い方が挙げられます。
ユーザーに対して印象に残るキャッチコピー(言葉)はもちろん、印象に残るビジュアル(画像)を大胆に配置し、企業や商品のメッセージを強く視覚に訴えます。
Webサイトのファーストビューにて強烈な印象を与えることにより、その後のコンテンツ(内容)も同じ印象や世界観にて理解を深めてもらい、よりイメージの向上を図るのです。
また、ブランドサイトはサイト規模が小さい点も特徴の一つです。主要ページは10ページ程度で設計される場合がほとんどで、いわゆるランディングページ(1ページ)で構成される場合も多々あります。(※ECなど商品系ブランディングサイトは例外)
サービスサイトとは
サービスサイトとは「企業のサービスや商品をアピールし情報を提供する」ことに特化しているサイトです。近年は企業のメインサイトとは別にサービスサイトを用意し、独立したWebサイトとして運用するケースが一般化しています。
サービスサイトの目的・役割
サービスサイトのターゲットの多くは「見込み客」や「既存顧客」です。特に「見込み客の集客」を第一の目的としているサービスサイトが多く、訪問したユーザーに対して自社のサービスや商品を積極的にアピールします。そして集客した見込み客をお問い合わせ・資料請求や商品の購入へと誘導することで、新規顧客の獲得という目的・役割を果たしているのです。
もちろん既存顧客に対しても、新しい情報を提供したり、「よくある質問」コンテンツなどでサポートするなど、積極的に自社商材をアピールしていきます。そして満足度のアップや再来訪・再購入(アップセル)といった結果を出すことで、サービスサイトとしての役割を果たしているのです。
サービスサイト設計の特徴
サービスサイト設計の大きな特徴は「コンバージョンまでの綿密な導線設計」です。
集客および新規顧客の獲得やサポート・アップセルといった目的・役割を担うサービスサイトは、コンバージョン(問い合わせ送信や購入などのアクション)を明確なゴールに据えて設計を開始します。
ターゲットがゴールに向かうまでのストーリーや道筋を考え、ストーリーに沿ったコンテンツを的確に設置することでゴールまで誘導します。
具体的なコンテンの内容は以下の通りです。
- ベネフィット(商品・サービスからユーザーが得られる効果や利益)を明確にする
- 課題・ニーズを喚起する
- 実績やお客様の声など事例を掲載する
- 権威のある有識者の声を載せる
- エビデンス(証拠、根拠)のためデータを明示する
そしてユーザーのゴールまでの行動やコンバージョンの数値を洗い出し、よりコンバージョンを獲得できるように、サービスサイトの再設計を繰り返すのです。
ブランドサイトとサービスサイトの違い・共通点を考える
ブランドサイトとサービスサイトに関して調査・確認をしてきましたが、振り返ってみると実はあまり違いがないことに気がつきます。
例えばサービスサイト設計で伝えたコンバージョンへの導線設計は、ブランドサイトにおけるECサイト誘導にも役立ちます。さらにブランドサイトと同じように、印象に残るキャッチコピーとビジュアルを大胆にファーストビューで設置しているサービスサイトはたくさんあります。したがって、それぞれ特徴はありながらも目的や役割は共有できる事項は多く、非常に似通ったサイトであることがわかります。
また、調べていく過程で感じたことですが、プロジェクトの内容に合わせて呼び名を変えているといった側面も見受けられ、サイト自体に厳密な決まりや違いはないと思われます。
WEB制作の経験を踏まえると、「サービスサイト」の方が馴染みのある名称になります。コーポレートサイトからサービス内容のみを切り離して制作することは、ビジネスの成長過程でよくあるプロジェクトであり、依頼も多くなるからです。また「ブランド」という言葉にいろいろな意味があり漠然としているため、「ブランドサイト」という名称を使いにくいという理由も考えられるでしょう。
社名・ロゴ変更や周年記念サイトは「ブランドサイト」としてプロジェクトを進めることが多く、ユーザーのアクションよりもユーザーに与える印象を重視する場合がほとんどです。そういった意味では、サービスサイトよりもブランドサイトの方が、担う役割が「広い」と言えるでしょう。
ブランドサイト・サービスサイトとコーポレートサイトの違いは?
それでは企業の顔とも呼ばれる「コーポレートサイト」との違いはなんでしょうか。
一番の違いは「情報量」です。特化型で情報を絞り込めるブランドサイト・サービスサイトに比べ、コーポレートサイトはターゲットを広く設定する必要があります。
例えばサービスサイトのターゲットに「その企業で働きたい求職者」を入れ込むことは、まずありません。逆に、コーポレートサイトがサービスサイトの役割を内包し、「見込み客」と「求職者」の両方をターゲットにしていることはよくあります。
しかし複数のターゲットを抱えるコーポレートサイトは、必然的に情報量が増え、特化型のサイトに比べると情報が伝わりにくいといった側面を持ちます。そのため、肥大化したコーポレートサイトに対して情報整理を行い、よりマーケティングの効果を高めるために、ブランドサイトやサービスサイトを切り分けるといったプロジェクトが必要になってくるのです。
それぞれの強みを理解し、プロジェクトに合ったサイト制作を
Webサイトにさまざまな情報を詰め込みすぎてしまうと、メニュー数は増え、ユーザーは目的の情報にたどり着くことが難しくなります。その結果、期待していたほどの効果や成果が挙がらず、サイトの再設計が必要になる場合があります。
サイトリニューアルのプロジェクトが立ち上がった際、ブランドサイト・サービスサイトの制作も視野にいれて検討してみてください。プロジェクトの背景・目的に合わせて、WEBマーケティングに最適なサイトを選択・設計しましょう。
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