サイト運営に欠かせないのが「サーバー」です。サーバーがサイトの命運を左右する、と言うサイト運営者もいるほど、サーバー選択は重要度の高い要素といえます。自身でサーバーを用意するのは困難なため、レンタルサーバーを検討する場合がほとんどだと思いますが、レンタルサーバーを選ぶ基準や細かい内容についてはよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。
こちらではレンタルサーバーの種類や選び方など、これからレンタルサーバーを選ぶ方向けの内容を解説いたします。
目次
レンタルサーバーの説明の前に、サーバーの役割について振り返ってみましょう。サーバーにはさまざまなデータが保管してあり、クライアント側(PC)が依頼する内容を提供する役割を持っています。
例えば、「〇〇のサイトを見たい」と思ったユーザーいたとしましょう。ユーザーは自身のパソコンからブラウザを開き、〇〇のサイトのアドレスを入力して、サイトを表示させます。
なにげない行動ですが、サイトを表示するまでのほんのわずかな間に、ユーザーのパソコンはアドレスから「〇〇のサイト」のサーバーに「〇〇のサイトを表示してほしい」と依頼(リクエスト)をかけています。
さらに依頼を受けたサーバーは、「〇〇のサイト」の情報を探し出し、ユーザーのパソコンに情報を返信、画面に「〇〇のサイト」を表示します。パソコンとサーバーの間で、この流れをわずか一瞬の間に行っています。
レンタルサーバーとは、無料もしくは有料でサーバーを複数のユーザーで貸し出すことで、作成したWebサイトやアプリをインターネット上に公開するために必要です。レンタルサーバーは「ホスティングサービス」、「サーバホスティング」とも言います。
多くは1台のサーバーを複数利用者で使用しますが、サーバー1台を丸ごと使用する専用サーバーもあります。
レンタルサーバーは業者へ費用を支払うことでサーバーが利用できます。レンタルサーバーは、サーバーの保守・運用管理業務の多くから解放されるので、Webサイトを手軽にインターネット上に公開したい人におススメです。
Webサイトを公開するまでのレンタルサーバーの仕組みを説明します。まずは、インターネットに公開するためのサイトデータをレンタルサーバーにアップロードします。
ユーザーはブラウザでURLを指定することで、レンタルサーバーにアップロードされたサイトを閲覧することができます。ユーザーがリクエストしたURLのデータをレンタルサーバーはユーザーに送っています。
このように、レンタルサーバーに格納したサイトデータがインターネット上で見られるようになっています。
サイトをインターネット上に公開するためにサーバーと共に必要なのが「ドメイン」です。ドメインは、「インターネット上の住所」の役割を持っています。ドメインを指定することで、サイトデータの所在が分かり、サイトを閲覧することができます。ホームページを「家」、サーバーは「土地」、ドメインを「住所」と例える場合が多くあります。例えばドメインは「https://www.example.com/」であれば、「example.com」がドメインにあたります。
いくら家(サイト)があって土地(サーバー)が整っていても、住所がなければ誰も辿り着くことはできません。ドメインはユーザーがサイトにたどり着くために必要不可欠な存在です。レンタルサーバーで同時に提供している場合が多くあります。
レンタルサーバーには、共用サーバー、専門サーバー、VP、クラウドサーバーの4種類があります。それぞれメリットデメリットがあるため、その違いについて解説いたします。
共用サーバーとは、1つのサーバーを複数のユーザーで共用するサービスです。サーバーレンタル代も複数ユーザーで分け合うことになるため、料金が比較的安価な点が大きなメリットだと言えます。
しかし、複数人で同時に使用するため、個人の意向でサーバーの設定を変更することはできず、自由度の低さがデメリットです。さらにセキュリティ面にも不安が残ります。
複数人でサーバーを共用することでサーバーに負荷がかかり、503エラーが頻発する可能性もあるため、ユーザー数の多いサイトや大きな商用サイトには不向きです。
共有サーバーの真逆の存在が、専門サーバーです。ユーザー1人に対し、1台のサーバーを提供するサービスを指します。
自分専用のサーバーとなるため設定に自由がききやすく、さらに運営業者のプランと自身の管理プログラムによってセキュリティ強化も期待できます。
自分専用、となると本来なら自身でコンピューターを購入し、設置場所を確保して管理を行う必要があります。しかしレンタル専門サーバーであれば、場所代や電気代の負担がかけず自由に扱えるのが、大きなメリットです。
とはいえ、費用は共有サーバーに比べ割高です。メリットでもある自由度の高さは、言い換えれば設定や運用を行うための専門の知識が必要ともいえます。法人・ビジネス目的で使われるのがほとんどであり、個人サイトといったアクセス数の少ない小さなサイトで使用されるのは少ないようです。
VPは、共用サーバーと専用サーバーの良いところが合わさったサービスです。1つのサーバーを複数のユーザーで共有するものの、専用サーバーのように個人の好みに合わせて設定変更が可能です。
コストパフォーマンスに優れつつ、専用サーバーさながらのサービスを得られます。しかし運用に関しては専用サーバー同様、知識が必要です。費用を抑えて専用サーバー並みの自由度が欲しいという方向けのサービスだといえます。
クラウドサーバーは共用サーバー・専門サーバー・VPとは少し系統のことなるサービスです。3つに比べ、比較的新しい存在です。
1つのサーバーを複数人で共用しつつ、自由に設定を変えられるという点はVPに近いですが、「必要な分のスペックだけを使える」という点で、VPよりも柔軟性の高さが際立ちます。
あとからスペックを追加したり減らしたりでき、必要に応じて自分で調節できるのがクラウドサーバーの魅力です。その分、設定にはスペックの加減など、専門的な知識は専用サーバーやVP以上に必要となります。
さらに、必要なスペックによっては専用サーバー以上に費用がかかる可能性もある、という弱点もあります。
レンタルサーバーを提供している企業は多くありますが、数ある中から自身に見合ったサーバーを見つけるには、いくつかの指針があります。レンタルサーバーを選ぶうえで重要なポイントを解説いたします。
サーバーの不備によって、エラーが発生し機会損失を招いてしまう場合も少なくありません。そのような時サーバー側がどのようなサポートをしてくれるのか、その体制は業者それぞれ違いがあります。
問い合わせにはどれだけ迅速に対応できるのか、メールだけでなく電話も受け付けてくれるのか、エラーが発生した際にはどれだけスピーディーに修復ができるのかなど、安心してサイトを任せられるかどうかはサーバー選びにおいて重要なポイントです。
運営企業のサイトを見るだけでなく、実際に使用しているユーザーの口コミの確認、気になる点はあらかじめ直接問い合わせてみるなど、信頼できる業者か事前チェックをしましょう。
容量の意味はサーバーへどのくらいの大きさのファイルをアップロードできるか、という意味で用いられます。容量は大きければ大きいほど、データ保存量が増えますが、その分費用も高くなってしまいます。個人のホームページを運営するだけであれば、大容量の必要もないため、共用サーバーなどでコストを抑えるのが得策です。
また、選ぶ際に忘れてはならないのが転送量です。転送量はユーザーがサイトにアクセスしたときに、サイトからユーザーへ送られる、動画データや文字、画像といったサイト上にあるあらゆるデータの合計量です。
ホームページ作成を簡単に作成できるWordpressといったCMSを活用するのであれば、レンタルサーバーがそれに対応しているかどうかも確認が必要です。それとは逆に、不要なサービスで価格が跳ね上がる可能性もあります。
例えば、ホームページを1つしか運用しない予定であるにも関わらずマルチドメインサービスのついたサーバーを選ぶ必要はありません。自身のサイト運営に必要な機能を兼ね備えたサーバーを、探し出しましょう。
レンタルサーバー側があらかじめ行っているセキュリティ対策は、運営会社によって様々です。代表的なのは以下の6種類です。
レンタルサーバーによって、Web改ざん検知はしているがアクセス制限はない、などそれぞれバラツキがあります。
より多くのセキュリティ対策がなされているレンタルサーバーの方が安心ですが、費用や運用目的の兼ね合いも無視できません。どこに重点を置くか、自身でセキュリティ対策はどこまでできるのかを検討してサーバーを選ぶようにしてください。
レンタルサーバーの費用についても、比較検討が必要です。レンタルサーバーの費用は運営会社によってそれぞれですが、標準的なスペックを持ったレンタルサーバーであれば月額1,000円~2,000円程度見ておけば問題ありません。さらに多くのレンタルサーバーでは、ドメイン取得も同時に行えます。ドメイン費用は年間数百円で済む場合も多くあります。
しかしレンタルサーバーには初期費用がかかり、契約期間も1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年といったふうに提供会社によって違いがあります。どの程度のスパンの運用を考えているのか、採算は取れるのかなどを検討した上で、予算の目安を出すのがおすすめです。
レンタルサーバーは機能や費用、セキュリティやサービスといった選ぶ際に重要視すべきポイントが多くあります。また、レンタルサーバーの形態も自身のサイトに見合ったものか、判断できる知識が必要です。適切なレンタルサーバーを選択し、サイト運営をスムーズに行いましょう。
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