こんにちは。ディーエムソリューションズでECサイト運営を担当しております岸川です。
こちらの記事では私が自社内でECサイトを運営する中で成功したことや失敗したことを包み隠さず公開していきます!
いまECサイトを運営されている方、立ち上げを検討されている方はぜひ実例として参考にしてみてください。
当社が運営しているECサイトのご紹介
当社ではマヌカハニーの単品通販サイトとしてBeeMeというサイトを運営しています。
ユーザー層は男女比3:7くらいで女性が多く、年齢は40~50代がボリュームゾーンです。
マヌカハニーは希少性が高く単価も高めとなっているため、「健康志向が強く、金銭的にある程度余裕のある方」が購買ユーザーとなっています。
また、マヌカハニーは抗菌力の強さから一般的に風邪予防などを期待して購入されることが多いため繁忙期は冬(寒さが厳しく健康維持への関心が高まる時期)となっており、夏場(あたたかく健康維持への関心が薄まる時期)は閑散期となっています。
2020年に行った施策
2020年はシステムのリプレイスなどで担当者のリソース不足もあり、実は年の後半までほぼ自動化できているようなルーチンの施策以外は行っていませんでした…。以下が2020年運用していた施策です。
ほぼ自動化していた…通年行った施策
- 誕生日クーポン
- ステップメール
- レビュークーポン
- アフィリエイト
どうでしょうか?これだけかよ!と誰もが思われたことでしょう…。
本当にこれだけで、広告も行っていなければSNSも運用していませんでした…。
やっと重い腰が上がる…新しく行った施策
何とか自分のタスクも落ち着き、やっと新しいことを始めました。(時すでに12月)
定期開催のセール
年の後半にやっとリソースも落ち着き、新しい施策を行っていくことになりましたが現状あまりにも顧客全体への販売促進を行うような動きをしていなかったため、まずは定期的に値下げを行い、顧客へメルマガで販売促進を促すような施策を始めました。
実際にどうだったかは後述します。
2020年の成果【売上及び顧客数推移】
それでは、2020年の成果として、売上と顧客数の推移をご紹介したいと思います。
グラフにまとめていますので以下ご覧ください。
どうでしょうか。繁忙期と閑散期で違いが出ているように見えます。
中でも1~4月は顧客数自体が最も大きく伸びた月、12月はリピーター数が多かった月になっています。それぞれ何があったのか、詳しくご紹介していきます。
1月‐4月:コロナウイルスとテレビ放映
この時期は何といってもコロナウイルス特需でした…!昨年1月よりコロナウイルスが騒がれ始め、マスクや除菌商品など、ウイルス対策の商品の需要が非常に高まりましたよね。
マヌカハニー自体がコロナウイルスに効く、というエビデンスはないため店舗としてはあまり積極的にアピールしていませんでしたが、マヌカハニーは風邪予防など健康維持・免疫力維持のイメージがついていることもあり”マヌカハニー”というキーワードの検索数自体も上がったことで自然検索からの購入やアフィリエイトからの購入が激増しました。
このように1月からじわじわと需要が高まっていったところにさらにマヌカハニーの需要を高めたのがテレビ放映でした。
とあるゴールデン帯のテレビ番組でコロナのために免疫力を高める食品としてマヌカハニーが紹介されたのですが、この効果はすさまじく、Googleトレンドでも以下のように放映日前後(2020年3月10日)には跳ね上がっていることがわかります。
Googleトレンド:2020年「マヌカハニー」に関する検索ニーズ推移
ちなみにこのグラフを見ると8月にも少し跳ねていますね。これはYahoo!ニュースに、一部のマヌカハニーから除草剤の成分であるグリホサートが検出された、というマイナスなニュースが出回ったことで多く検索されています。
この記事に関してはユーザーからも多数問い合わせがあり、不安な気持ちになられた方も多くいらっしゃいました。メーカーへも確認しましたが、実際はグリホサートが検出されたのは日本の市場に出回っていないようなマヌカハニーであることやニュージーランドで出回っている一部商品で検出されたが人体に影響の出るとされる基準値の数百分の1というレベルだったということです。
当店では即座にグリホサートが未検出であった検査結果と併せてサイト上へ自社取り扱い商品の安全性に関する案内ページを公開しました。
改めてネットニュースの影響範囲の広さと信頼を取り戻すためには素早い対応が必要であることを感じた出来事でした。
とはいえ、このようなニュースがあることで改めて当店のマヌカハニーの信頼度やブランド価値の維持・上昇にもつながります。悪いニュースも良い方向にアピールできるチャンスですね!
12月:セールイベント
2020年に行った施策部分でも触れましたが、2020年はルーチンでこなしていたクーポン類を一部ユーザーに配布するだけで、全ユーザーへ向けたセール施策をまったく行っていませんでした。
もともと全ユーザーへ送るメルマガとしては商品入荷のタイミングで入荷のお知らせを送っているだけでしたが、この入荷連絡のメルマガでは開封率25%~35%、CVRは1%弱~2%弱と悪くない数字だったため、まずはセール企画で全ユーザーへメルマガだけで
アプローチしてみよう、というのが今回の趣旨でした。
結果、リピーター数がコロナ及びテレビ放映効果で最も数字を伸ばした3月と同じ水準まで購入促進をすることができました。
このようにメルマガを送ることで過去の購入者へ商品の売り込みができ、今購入することでお得に買い物ができるというメリットを出せればしばらく買っていなかった休眠ユーザーの掘り起こしや12月という季節柄ギフト需要の喚起など幅広いユーザーへ訴求できた結果となりました。
このセールイベントは現在のところ月3回内容を変えて行っており、どのセール内容が一番ユーザーに響いているのかを検証しています。また面白いデータがそろったらぜひこちらでお届けできればと思っています。
楽しみにお待ちください!
番外編:アフィリエイトの動向
非常にシンプルな施策しか行っていなかった当店にとって、アフィリエイトは新規顧客獲得に大きく貢献していました。
実際に2019年~2020年5月あたりまでは新規の半分くらいがアフィリエイト経由でした。
ただ、5月にGoogleアップデートがあり、アフィリエイトサイトの順位が下落したことでアフィリエイト経由の顧客数は激減しました。
Googleアップデートは自社運営サイトももちろんですがアフィリエイトなど他媒体も影響を受けるため、
Googleが何を求めているのか?=ユーザーにとって有益な情報・ユーザーが信用できる情報は何か
ということを常に考えなければならないと改めて感じました。
おわりに
こちらの記事では2020年を振り返って2020年の売れた要素は何だったのかをお伝えしました!
リソース不足という理由(言い訳…)で非常にシンプルな施策しか行っていなかった状態でしたが、世界的に起こったコロナという大きな要因に左右された1年でした。
また、逆にシンプルな施策しか行っていなかったからこそセールといった新しい施策がどのくらい響くのかがダイレクトにわかり、今後もいろいろな施策を試す価値がありそうだと思わせてくれる結果になりました。
結果についてまとめると以下のようなことがわかったと思っています。
- 世界的なトピックス及びテレビ放映による認知度、購買意欲の高まりはすごかった
- シンプルな施策でもメルマガがある程度効果が出ていればセールによって期待以上の成果が出た
- アフィリエイトはGoogleアップデートの影響を受けると激減するので多角的な施策への投資も必要
今後も面白いデータや結果がとれたら良いものはドヤ顔で公開し、失敗例は公開処刑という形で公開していきますので(!)、既に運営されている皆さんは同志として、立ち上げを検討されている方は参考にしながら、共にEC業界を盛り上げていけたらと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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