こんにちは!ECの虎チーム岸川です。ECを始めるときに「どこでどう売るか」というのをまず検討しますが、大きく分けると今回ご紹介する楽天やAmazonなどのモール型店舗と自社ECに分かれます。今回は当社も出店している大型モールECの楽天市場について、実際に出店してみてわかったメリットやデメリットのほか、料金は実際にどのくらいかかるのか、ご紹介します!
はじめに楽天市場とはいったい何なのか、概要からご説明します。楽天市場は楽天株式会社が運営している国内最大級のインターネット上のショッピングモールです。利用者は5138万人と言われており、国内の2人に1人が利用しているような日本を代表するECサイトとなっています。取扱商品は食品からアパレル、本、家電、家具、化粧品、薬と置いていないものはないほど、実に多種類の商品を扱っています。
また、楽天市場では商品を購入することで楽天ポイントというポイントがつき、このポイントは楽天市場内でのお買い物はもちろん楽天が展開する様々なサービスやレストラン等の支払に利用ができます。こういったポイントの利便性は規模・サービス範囲が大きいからこそできる楽天ならではの魅力と言えるでしょう。
楽天市場に出店してみてわかった、メリットとデメリットを考えてみました。
なんといってもメリットはこれでしょう!先ほどご紹介した通りユーザー数は5138万人、2019年以降の年間流通総額は3兆超えと非常に大きなマーケットであることがわかります。
画像参照元:楽天IR資料より
画像引用元:ECのミカタリサーチ「EC通販消費者動向調査2020」
これだけ多く商品が売れるのはモール内での取扱商品の多さももちろん魅力ですが、先ほど紹介したポイントの利便性もリピーターの獲得に非常に貢献していると思います。
また、商品を探している時にGoogleなどでWeb検索をしたときに大体のキーワードで楽天などの大型モールが上位表示されます。なかなか自社ECでは上位表示が難しい店舗も多くありますよね。このように例えばどこの化粧品が欲しくて検索した時に楽天が出てきて楽天内で探して買ってもらえる、というSEO的な側面もメリットと言えます。
楽天スーパーセールと聞くと誰もがCMや広告を見たことがあると思います。これだけ集客のできるイベントを仕掛けられるのも自社ECではほぼ無理でしょう。こういった買いたい人がたくさん集まってくれる機会を作ってくれ、それに合わせて店舗も販促企画ができる、というのは大きなメリットだと思います。ちなみに楽天スーパーセールは約3か月に一度、お買い物マラソンは月に1回~2回開催されています。
楽天では色々なサポートがありますがまず一つは問い合わせしたいとき。店舗の設定や問い合わせなどで楽天へ聞きたいタイミングって結構あります。楽天では問い合わせたいときAIが答えてくれる機能のほか、電話やオペレーターとのチャットなど複数の問い合わせ方法が用意されているので好きな方法で聞くことができます。
個人的には時間に縛られない(ほかの作業と並行してできる)オペレーターとのチャットが一番好きです。。他のモールだとメールでしか問い合わせできないことが多いように思うためリアルタイムで返事が聞けるのはとてもありがたいサービスです。
次にページ制作や在庫管理システムなど運用上の負担を解決してくれるツールです。ページの更新って知識がないとめちゃくちゃ時間がかかるし、在庫管理も合わなくなると迷宮入りすることありますよね…。そういった運用面での負担を減らしてくれるツールが色々用意されています。当社ではこのあたりは使っていないので何とも言えないですがこのほかにも楽天ロジティクスという物流周りを委託できるサービスもあるので商品さえあれば大丈夫、というのも夢ではなさそうです。
次に、店舗が売上を上げるためのサポートです。楽天のコンサルタントが店舗ごとに1名ついてキャンペーンの案内や広告商品の案内をしてくれます。彼らもある意味営業マンなので少し注意が必要なこともあるかもしれませんが(!)、何かあったときに気軽に聞ける相手がいるのはとてもありがたいですね。
また、楽天ネーションズといって楽天で成功している店舗が売上アップのコンサルタントとしてついてくれるサービスや動画での広告運用のコツを紹介してくれるなど、売上アップのサポートも充実していると言えます。
このように様々なサービス、情報がしっかりと揃っているのは楽天の強みだと思います。
モール型ECの特徴でもありますが同じ商品または同じカテゴリの商品を販売している店舗が多くあるため、差別化が必要になってきます。差別化をどのようにするかは色々なやり方がありますが、やはりユーザーが一番惹かれるのは以下ではないでしょうか。
レビューを多く獲得するにもまずはたくさん買ってもらう必要があり、たくさん買ってもらうためにはやはり価格を下げたり、何かオマケをつけるなどのキャンペーンを行ったり、利益が減ることになる施策を打つ必要があります。
さらに楽天などモール型ECでは出店費用もかかるため、自社ECに比べるとどうしても利益が減ります。出店する際は競合の価格も見ながら利益率何%を死守する必要があるのか、見極めておく必要があります。
例えば楽天でページを作った時に、使ってはいけないタグが結構いっぱいあります。特に2020年に改訂された禁止タグの追加ルールではスマートフォンでiframeやstyle、linkタグといったCSSの組み込みができなくなってしまいました。
こういった仕様変更にすぐ対応できる知識のある人が近くにいる、もしくは自分がそういう人間ならめんどくさいなぁで済みますが担当が変わって相談できる人が近くにいなくなった、自分がタグの知識ないよっていう人だと考えることをやめたくなりますよね…。
他にも送料無料ラインの導入では多数の店舗からクレームが入って大きく揉めていましたよね。このように楽天が仕様変更を行うことで面倒な作業が増えたり利益を左右される、ということが起こり得るのもデメリットかなぁと思いました。
私はチャットの問い合わせをよく使うと言いましたがこのチャット、履歴が全く残らないんですよね。前もこういうことがあって問い合わせた気がするけど、どうだったっけ…?!みたいな時に履歴があるとめちゃくちゃ便利だなと思うんですがチャットの接続が終わってしまうと履歴も残らないしメッセージのコピペもできなくなってしまいます。
どうしても覚えておきたいことの時はチャットの接続が終了する前にチャット全部の文章をコピペしてドキュメント化しておくようにしていますがこのあたりがメールで問い合わせできるECとの違いで一長一短かもしれませんね(メールは履歴が残るので)。
ここからは皆さん気になるお金の話をしていきたいと思います…!
公式サイトの案内によるとスタンダードプランで初回は36万円(※2021年2月現在)となっているようです。他にも作る店舗の規模の大きさによって松竹梅とプランが分かれており、プランごとに初期費用も変わるようです。
参考元:楽天公式案内ページ
初期費用は公式に載っているのでわかりますが実際に運営をしている店舗の請求書、見てみたくないですか?…笑
ということで、金額は公開できませんがどのような請求項目があるのか、大公開します!おそらく大体の店舗が利用しているサービスを当社も利用していると思いますので参考になるかと思います。
それでは・・・じゃじゃーん・・・!
どうでしょうか?よくわからないものも多いと思うので抜粋して説明していこうと思います。
・システム利用料【PC/モバイル】
売上に対して一定の割合で楽天へ支払う利用料です。これはどの店舗も支払う項目になっており、契約時にスタンダードプランなどどのプランを契約したかで支払う割合が決まっています。
・スーパーアフィリエイト
楽天スーパーアフィリエイトは楽天が契約しているメディア(ブログ等)に広告を掲載してもらうサービスで基本的に出店時に契約をするサービスとなっているようです。
支払にはパートナーへ支払う報酬と楽天へ支払う利用料やオプションでできることが増えるのでオプション追加料金なども契約すれば入ってきます。
・ポイント付与料【PC/モバイル】
冒頭でご紹介した楽天のポイント制度ですが、基本的につけるポイントは店舗が負担します。そのため例えば1000円の買い物をしてポイントが1倍だった場合、10円がポイントとして購入者へ還元されその10円は店舗が支払っているということです。
また、ポイントの倍率は店舗で自由に変更することができます。ポイントは楽天をよく利用するユーザーであればあるほど購入時の選定基準となるため、楽天のイベント時などアクセスが集まるときを中心に多くの店舗がポイント倍率を上げてユーザーの購買意欲を高める施策を行っています。
・楽天ペイ利用料
楽天の決済システムを使用するための利用料です。楽天ペイでは様々な決済方法が利用でき、決済処理の代行をしてくれるので店舗側で面倒な入金の確認や不正注文などの確認の手間が省けます。こちらはシステム利用料と同様にその月の平均決済単価と合計決済額によって料率が決まります。
・商品一括登録サービス
こちらは商品情報をCSVで一気に変更できるサービスの利用料です。これがないと商品数が少なければRMS(楽天の管理ツール)で手動でちまちま変更できるかもしれませんが結構つらい作業です…。CSVも変更できる項目やルールが非常に多いので最初はマニュアルとにらめっこになりますが楽天スーパーセールやお買い物マラソンなど商品情報を変更するタイミングが多いのである程度フォーマットが決まれば工数削減になって非常に便利です。
・広告サービス費【CPA/RPP】
できるだけ費用をかけずに売上を伸ばしたいのが世の常だとは思いますが、どうしても切っても切れないのが広告…。ユーザーが検索した時にきちんと上に表示されてかつ競合に負けない圧倒的優位な価格、ビジュアルで勝負できていれば必要ないかもしれませんがなかなかそうもいかない店舗がほとんどではないでしょうか。
楽天の広告サービスは色々な種類があり、楽天側も店舗からお金をもらえると嬉しいので結構売り込みをしてきます(笑)。ただ、運用自体はほとんど自動でやってくれるのでいったんやってみて自店の商品と親和性の高い広告サービスなのか、試してみてもいいかもしれません。
ちなみに当社では特定のキーワードで検索結果の上位に表示させる、RPP広告をメインに行っています。RPP広告はいわばリスティング広告のようなものですね。他の広告もやってみたいなあとは思っていますがなかなか手が回っておりません…。
・R-Mail配信料
店舗からユーザーへ送るメルマガの配信料で基本的には1通で〇円、のような料金体系です。メルマガは特にイベント時や商品の入荷など購買が期待できるときに送ると大なり小なりありますが必ずと言っていいほど売上が出ます。そのため必ず行っておくべき施策と言えます。
ここまでメリットデメリットや販管費についてお話してきましたが、実際に出店してから売上を伸ばすために必要なことについてお話していきます。
▲楽天市場スマートフォン上での検索結果画面。RPP広告枠が一番上にくる
やはり一番はこれだと思います。結局欲しいものがあった時に検索結果の10ページ目とかにいても発見される確率って非常に低いです。レビューが他店に比べて多かったり、価格が他店に比べて安かったりといった並び替えで上位に表示できる“他店に負けない要素”があればまた違ってきますが、それが現状ないのであればやはり普通に検索した時に1ページ目に出てくるぐらいじゃないとなかなか見つけてもらえません。
SEOの概念と似た楽天の検索エンジンが評価する指標というのは多少あるようです。商品番号、商品名、PC用キャッチコピー、モバイル用キャッチコピー、PC用商品説明文、モバイル用商品説明文、スマートフォン用商品説明文、PC用販売説明文といったテキスト情報に商品を表示させたい適切なキーワードを入れることで楽天は検索結果に出そうとしてくれます。
そのため、ユーザーがどのようなキーワードで自店の商品を探してくれるか、想像しながら適切なキーワードを入れてみましょう。特に商品名は検索結果に出ますから、例えばイベント時は【限定セール価格】や【クーポンで〇円OFF】などお得感を出すとユーザーの目に留まりやすくなる効果もあります。
ただ、このようにテキスト情報を最適化するだけで上位表示するわけではありません。あくまで楽天の検索エンジンが「こういうキーワードで出したいんだね」と理解してもらえるぐらいだと思います。
楽天の検索エンジンでは上記のほかに以下のようなこちらでコントロールのできない指標も重視しているようです。
そのため、一般的なSEO内部対策のような“キーワードの最適化“を行うだけでは上位表示は不可能と言っていいでしょう。
そこで簡単に上位表示できるのがRPP広告などの広告商品です。広告予算として毎月10万以上が必要になりますが、アクセス数も上がりますし見つけてもらえることで売上にも繋がります。
広告でアクセスおよび売上を伸ばせば広告枠外でも通常時に検索結果で上位表示できる可能性が高まってきます。ROASといった指標で効果測定を行っていく必要がありますが、広告商品は上位表示への一番の近道と考えたほうがよさそうです。
ECそのものの傾向としてスマートフォンを利用して買い物をするユーザーが年々増えており、2018年のデータでは8割がスマートフォンを利用してネットショッピングをしているという結果が出ています※1。
もちろん商材によってはいまだPCのほうが利用されているものもありそうですが今後もこのスマートフォンが主流という流れは強くなっていくでしょう。スマートフォンで買い物をするときにユーザーが一番見ているのが画像です。
スマートフォンの画面は小さいのでテキストを詰め込んでもなかなか読んでもらえません。そのため、画像で商品の良さを十分に伝えられるように注力することで目に留めてもらいやすくなります。
※1【参考】MMD研究所「2018年版:スマートフォン利用者実態調査」
こちらについては販売そのものの大原則ではありますが、やはりユーザーが今買うと得なんだと思わせる企画は必須です。
楽天では大きく分けてお買い物マラソンと楽天スーパーセールが定期的に開催されるセールイベントになりますが、楽天スーパーセールであれば条件をクリアした店舗だけが検索結果に表示させることができるスーパーセール用の特別な検索機能や、申し込んだ店舗だけが参加できるクーポンなど楽天と連動した施策もたくさんあります。
また店舗独自でポイント変倍(通常1倍⇒10倍)することで楽天のリピーターには特に刺さりやすくなりますし、メルマガ限定クーポンでリピーター獲得を狙うようなこともできます。
他にもレビューを書いてくれたらクーポンプレゼントなど、クーポン施策はレビュー獲得にも貢献できる施策のため、積極的に使っていきたいところです。
価格や見た目、評価(レビュー)以外の指標として考えなければならないのがユーザー満足度。ギフトに対応しているか、ギフトの場合はどのような包装か、熨斗は対応しているか、送料はいくらか、早く届くのか、などユーザーの購買体験が満足いくものにできるか、というのも大切な指標になります。
例えば配送ひとつとっても当日〇時までの注文で翌日配送。最近は置き配対応できる、など配送の融通が利くというのもユーザー満足度の高いサービスになります。
もちろん問い合わせのレスや応対がいいというのも大事です。レビューに書かれてしまうと一気に信用をなくしてしまいますからね。こう見てみるとECの運営って本当に色々なことに気を配らないといけないですよね…。担当者の皆様、お疲れ様です…!!
今回は楽天に出店してわかったメリットやデメリット、料金、売るためのポイントについてご紹介しました。
やはり楽天などの大型モールだけに出店していても販管費がかかりますし自社ECだけだと集客力がないと売れないし、とそれぞれいい面難しい面があるので複数店舗持ちつつ自社ECの割合を増やしていく、というのが定石ですね。楽天はサポートも充実していますし、他の店舗との交流の場も作ろうと思えば作れるので楽天で色々な店舗運営の知識を吸収してEC販売そのものに活かしていけるとよさそうです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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