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サイトの導線と動線の違いとは?導線の設計方法と動線の分析方法

2022.08.01 Web制作
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Webサイトの構成を考える上で、ユーザーの動きをどのくらい意識していますか。訪問してくれたユーザーをいかに目的のコンテンツに誘導し、成果を上げられるかどうかに大きく影響を与えているのが、「導線」「動線」の考え方です。

読みは同じ「どうせん」ですが、この2つには意味の違いがあります。それぞれの違いをおさえた上で適切に設定し、分析を行うことでサイト改善を効率的に進めることができます。

ここでは、「導線」と「動線」の考え方の違いや、導線設計と動線分析のポイントについてわかりやすく解説します。

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「導線」と「動線」の違い

まずは、「導線」と「動線」の違いについて定義しておきたいと思います。中には、この2つを混同して使っている方や、同じ意味の言葉だと思っている方がおられるかもしれません。しかし、れっきとした違いがある言葉なので、まずはその違いを理解するところから始めましょう。

「導線」とは?

導線とは、「導く線」と書くことからも分かるように、Webサイトの作り手側が「どのようにユーザーに動いてほしいか」を予想して、あらかじめルートを準備しておくことを指します。例えば、ECショップを経営している場合、「トップページ」から「商品カテゴリ」から「カバン」から「ショルダーバッグ」など、求める商品まで最短ステップで到達できる経路は何かを考えて設計していくことになります。

意図したとおりにユーザーに動いてもらうため、さまざまな工夫をこらして導線設計を行うのがサイト改善の目的の1つです。

「動線」とは?

「動線」とは、実際にユーザーが動いたルートのことを指します。実際のユーザーの動きを把握して観察することで、現在の導線設計にどんな問題があり、どこを改善することでよりユーザーにとって分かりやすいサイト設計になるのかを考えるヒントが得られます。

「導線」と「動線」の違い

もう一度、「導線」と「動線」の違いを端的にまとめると下記になります。

導線 ユーザーを目的地まで誘導するためのルート計画
動線 実際にユーザーがWebサイト上で動いた道筋

導線と動線のどちらかを使えばWebサイトがより良くなるというものではなく、ユーザーの過去の行動である「動線」を分析して把握し、それに基づいて「導線」の改善を行うことで、CVRの向上などの効果が見込めます。

両方とも意識することが重要?

先述の通り、「導線」と「導線」は両方とも意識してWebサイト改善に取り入れていくことが大切です。ここでは、それぞれの重要性についてもう少し詳しく触れていきたいと思います。

なぜ「導線」設計は重要なのか?

Webサイトの制作において、アクセス解析ツールによって取得したデータや、人間行動科学の視点をもとにユーザーの動きを想定し、目的のページまでスムーズにたどり着けられるようにサイト設計を行うことを「導線設計」といいます。

せっかくWebサイトを作っても、導線設計が不十分であれば、ユーザーは「どこを見ていいかわからない」「欲しい情報にたどり着けない」という状態になり、サイトへの滞在時間が短くなったり、そのページから離脱してしまったりします。そうなれば、コンバージョンに繋がる可能性も下がってしまいます。SEO対策を行っていくら上位表示ができても、集客できたサイトが成果につながらなければ意味がありませんよね。

一方、導線設計にこだわったサイトであれば、ユーザーはストレス無くサイトを閲覧することができます。自ずと滞在時間やコンバージョン率も高くなるはずです。また、魅力的な導線設計につられて、意図せず訪問したページで新たなコンバージョンを生んでくれるかもしれません。

実店舗とは違い、インターネット上では対面で接客することはできません。ユーザーの意図を想像して、先回りして必要な情報を提供するという導線設計の流れは、実店舗における「接客」とも言い換えることができます。

何も考えずにコンテンツを羅列しただけのサイトと、情報の配置に工夫し目的の情報にスムーズにたどり着けるサイト、どちらが使いやすいかどうかは明らかです。導線を工夫することは、ユーザーの気持ちに寄り添う第一歩なのです。

なぜ「動線」分析は重要なのか?

効果的な導線を設計するために必要なのが、それまでのユーザーの動きを把握するための「動線分析」です。実際のユーザーの動きを「見える化」することで、はじめて見えてくる問題点もあるからです。

例えば、ユーザーの多くが離脱しているページがある場合、そのページからの導線がうまく設定できていない可能性があります。問い合わせページに誘導するためのボタンを設置していても、そのボタンがわかりにくいところにあってユーザーが存在に気づいていないという場合もあるかもしれません。こういった「導線設計の問題点」を明らかにするために行うのが、動線分析なのです。

想定した導線どおりに効果が上がっていない場合、動線を分析して問題の原因を突き止めることで、さらなる改善へとつなげることができます。

動線分析の際のポイントは後述しますが、動線分析に特化したツールも多数提供されているので、それを導入するというのも一つの方法です。

「導線」設計のポイント

では、導線を設計する際にはどのような点に気をつければいいのでしょうか。具体的なポイントをいくつかご紹介します。

Webサイトの「目的」を設定する

漠然と導線を考えていても、効果的なものにはなりません。サイトの目的は何で、どうすればそれを達成できるのか。その指標を明確にしておくことで、作るべき導線の軸も固まり、効率的に改善を進めることができます。

作成するWebサイトによって、目的は多岐に渡ります。商品の購入、見込み客情報の獲得、資料請求、見積もり依頼、メールマガジン登録、問い合わせなどが想定されます。

Webサイトに集客したユーザーを、これらのCV(コンバージョン)につながるページに効率よく誘導する導線を考えることが重要です。

CV(コンバージョン)とは?種類や計算方法から増加させるための分析・改善方法について

ユーザーの気持ちを想定する

サイトの導線を考える上で、重要な視点が「ユーザー目線」です。動線分析の結果や、事前に作成したペルソナ(想定ユーザー)などを使って、自社サイトに訪れるユーザーがどのような行動を取り、サイト内を回遊するかを考えるようにしましょう。

ユーザーの立場や、商品・サービスに対する熱意の違いによって、サイト上での行動にもばらつきが生まれます。可能な限り細かくユーザーの行動を想定して、それを導線設計に落とし込むのがポイントです。

行動ルートを網羅するための方法として、カスタマージャーニーマップを作るのもおすすめです。

トップページの重要性を認識する

導線設計を考える際に、コンバージョンにつながるページ周辺ばかりに気を取られてしまう気持ちはわかります。しかし、トップページの重要性も忘れないようにしましょう。サイトを訪れたユーザーは、トップページをひと目見ただけでそのサイトが有益かどうかを判断すると言われています。

トップページにはサイトの特徴が分かる情報を掲載するのはもちろん、「次に取るべき行動」をわかりやすく示しておくことが大切です。目立つリンクボタンや、画像を配置したメニューなど、注目を引く分かりやすい情報を提供できれば、トップページから離脱されてしまうリスクは減らせます。

また、サイト内のすべてのページから、トップページに戻るためのリンクを用意することも忘れずに行ってください。現在のサイト設計では当たり前に思えますが、これがあることで、ユーザーがもしサイト内で迷子になってしまっても、最初からやり直すことができます。

ナビゲーションを効果的に使う

一般的なサイト構成においては、どこに何が書いてあるかを示す「ナビゲーション」が設定されていることがほとんどです。サイトのトップに表示される「グローバルナビ」。サイトの左右どちらかに配置される「サイドメニュー」、最下部に表示される「フッターメニュー」、各コンテンツの上部に設置される「パンくずリスト」などが該当します。

ユーザーにわかりやすく情報を提供するために、どこにナビゲーションを配置し、各ナビゲーションにどんな情報を掲載するのかを考えましょう。中には、デザイン性を高めるためにナビゲーションは不要と思われる方もいるかもしれませんが、ユーザー側からするとナビゲーションはあるのが当たり前の存在です。変にこだわってしまうと、かえって使いにくいサイトだという印象を与えてしまうので、基本的にはナビゲーションを取り入れたサイト構成にする方が無難でしょう。

常に効果検証を続ける

「導線設計」というと、一度設計したら終わりというイメージを持たれる方もいるかもしれません。しかし、想定した導線どおりにユーザーが動いてくれる保証はなく、思わぬところで躓いてしまう可能性もあります。また、技術の進歩により、よりよい表現が見つかるという場合も考えられます。

その他のマーケティング戦略と同様に、導線設計も効果検証と改善を繰り返していく必要があります。動線分析やコンバージョン分析など、効果検証につなげる分析を行いながら、その結果をもとに仮設を立て、結果を検証するというPDCAサイクルを回しながら、より良い成果になるよう改善を行いましょう。

「動線」分析のポイント

効果的な導線を設計するために、欠かせないのが動線の分析です。では、どこに着目して見ていけばいいのか、具体的なポイントを3つご紹介します。

入り口ページはどこか

まず見ていただきたいのは、「どのページからサイトに入ってきているか」という内容です。いわゆる、ランディングページの分析です。ランディングページは、最終的にコンバージョンに繋がるかどうかの最初の分かれ道です。優先的にこのページの導線を設計することで、効率的に成果を高めることができます。

よく見られているページ

導線設計の目的は、ユーザーをコンバージョンに繋がるページに誘導することです。もし、意図しないページの閲覧が多ければ、それだけ導線設計の目的がうまく達成できていないということでもあります。

逆に、想定外に閲覧が多いページが有るということは、その内容をブラッシュアップすることで、効率的に成果につなげる事ができるかもしれません。

また、たくさん見られているページほど、導線設計を始めとするページ改善を施した際に、影響が大きいページということでもあります。しっかり把握しておきましょう。

サイト内での遷移

実際に、ユーザーがサイト内でどのように遷移したかの行動フローを確認します。

もし、意図したページまでユーザーを導けているのに成果につながっていないということであれば、導線設計ではなくコンテンツそのものに問題があると考えられます。もしくは、当初の「ユーザーがこう動けば、コンバージョンするだろう」という予測が間違っている可能性があります。

ランディングページの次に見ているページは、どのような動きをしているかも確認しましょう。なぜそのページを閲覧したのか、ユーザーの気持ちになって考えることで、現在の導線設計の問題点が見つかるかもしれません。

「導線」設計には「動線」分析結果を盛り込むことが重要

「導線設計」も「動線分析」も、単独で行ってもそれなりの効果が得られる施策です。しかし、単体で行うだけでなく、組み合わせることで相乗効果が見込めます。

具体的には、導線設計を行う際には、ユーザーの動線分析結果を盛り込むようにします。そうすると、ユーザーの気持ちに寄り添ったサイト構成に近づき、ユーザビリティの向上に繋がります。ユーザーによって使いやすいサイトであれば、それだけコンバージョンにも近づきやすくなります。

「こう伝えたい」「こう見せたい」という作り手側だけの意識だけでなく、「どうすれば使いやすいか」とうユーザー目線を忘れずに導線を設計するようにしましょう。

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おわりに

ここでは、導線と動線の違いや、それぞれをサイト改善に活かすためのポイントについてご紹介しました。いずれにおいても大切なことは、「ユーザーの立場になって考える」ということです。ユーザーの気持ちに寄り添ったサイト設計ができれば、おのずと回遊性も上がり、コンバージョンもアップしていくはずです。

ユーザーの気持ちを考えながら、導線の改善を続けましょう。もし迷いが生じたら、動線を分析したり、ユーザーの気持ちに立ち返ったりして、あるべき姿を考えてみてください。

 

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