2015.08.11インタビュー

[対談]ギャプライズ/LPO研究所所長 鎌田洋介氏 × DM-S 木村和央 対談

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2015年4月、私たちディーエムソリューションズはギャプライズ社/LPO研究所所長の鎌田洋介氏を迎え、「Webサイトで成果を出すために必要なこととは何か」をテーマにディスカッションを行いました。
LP制作やリスティング広告運用で実績のあるギャプライズと、SEOを基盤として事業展開を行ってきたディーエムソリューションズ。
それぞれのサービスで「成果を出す」というゴールに向けてどのようなアプローチが必要なのか、また、オウンドメディアを成功させるポイントについて意見を交換しました。

―――――――――――――――――― 対談人物 ――――――――――――――――――
・株式会社ギャプライズ Webマーケティング事業部部長/LPO研究所 所長 鎌田 洋介氏
・ディーエムソリューションズ株式会社(以下「DM-S」)
インターネット事業部メディアマーケティング部部長 木村 和央
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

[目次]
  1. SEOとLP・リスティング広告はある意味で対極にある
  2. SEOとLP・リスティング広告に共通するアプローチとは?
  3. ブルー・オーシャンを手に入れるためには何が必要か
  4. B to B向けサイトでは、オンリーワンになる必要はない
  5. SEOに関しては検索で上がってくること自体が商品価値
  6. 鎌田氏が感じた「難易度の高さ」
  7. 鎌田氏がDM-Sに与えてくれた「気付き」
  8. 場をもらったら、相手の期待値を1ミリでも超えなければいけない
  9. ギャプライズのスピードとDM-Sのコンテンツ力の相乗効果
  10. オウンドメディア「LPO研究所」によって得られたもの
  11. オウンドメディアにはどう取り組んでいくべきか
  12. 「LPO研究所」と「デジ研」、それぞれの展望は?
左からギャプライズ社・鎌田氏、DM-S・木村

左からギャプライズ社・鎌田氏、DM-S・木村

SEOとLP・リスティング広告はある意味で対極にある

―本日はギャプライズ鎌田洋介氏と、弊社DM-Sのインターネット事業部メディアマーケティング部部長、木村和央の対談をお送りしたいと思います。
まず、お二人の仕事観からお伺いできますか?

木村「まず、僕らの会社はSEOが基盤なので、鎌田さんやギャプライズさんがメインとされているLP(ランディングページ)やリスティング広告などのテクニカルな部分とは違いがあります。SEOは情報の探求に対するアプローチですね。
例えば、ウォーターサーバー比較サイトなら、『ウォーターサーバーを契約しようとしているユーザーってどういう情報が欲しいのかな?』と考え、ユーザーの情報ニーズを満たすことによって、優良な見込み客を広告主に送る。そういった価値を提供するのがSEOですね。」

鎌田「冒頭からあえて挑戦的な話をしますと……実は僕、あまりSEOは好きじゃないんです。なぜなら、時間がかかるから。
もちろん、本質的で価値の高いSEOをやっていけば企業にとって中長期的な、時には一生ものの資産になるというメリットはあります。でも短期間にブーストをかける武器として考えると、SEOは時間がかかるし、不確定要素が多いという印象があります。」

木村「特に今だとGoogle次第ですからね。」

鎌田「そうです。そこに依存せざるを得ない。しっかりやれば上がっていくことは分かるのですが、質の高いSEOをしようと思うとどうしても時間がかかる。
それに対してLPやリスティング広告はスピーディですよね。早い段階で露出ができるし、LPなら、Webサイトを作るよりも早くテストマーケティングもできる。SEOにかかる時間をお金で買えるのが、LPやリスティングなのかなと。
逆に言えば、LPの宿命としてSEOには確実に弱くなります。特に弊社がやっている縦長LPの場合、訴求力を優先する分、テキストも減るので、LP単体でSEOの成果を上げるのは難しい部分があります。」

木村「鎌田さんのおっしゃる通り、ある意味、SEOとLPやリスティング広告は対極にあると思います。」

鎌田「LPやリスティング広告のメリットはスピードです。僕らはすぐ効果検証できるというメリットにフォーカスしてやっています。
弊社がクライアント様とお仕事させていただく中で多いのが、まず『LP作りました、リスティングかけました、成果が出ました』といった流れがあって、その半年から1年後に『じゃあWebサイトをお願いしたいんですけど』と言われるパターンです。
最初からWebサイトまで依頼していただけるパターンはほとんどありません。それこそクリクラ*様も、まずはLPをやって、結果が出たから『サイトもお願いします』という流れだったんです。
LPやリスティングで効果検証した上で、『これは成功するぞ』というのが見えて、サイト構築に取り組んでいく。サイト構築は時間とお金がかかることもあるので、僕個人はそうした流れでサイト構築に取り組んでいけるのが好きですね。そこがLPを良いと思う1番の理由でしょうか。」

SEOとLP・リスティング広告に共通するアプローチとは?

木村「SEOの場合、コンバージョンはどうしても外的要因が大きくなります。」
鎌田「どれだけ頑張っても、SEOはそのキーワードによってコンバージョンするかどうかが変わってきますよね。もちろん、SEOだけをやるという話ではなく、LPやリスティングもやるという話だとは思うのですが。
ただ、どちらを先にやるかと言うと、LPやリスティングで当たりをつけてからやっていきたい。弊社がSEOについて話すときはそういう感じですね。『まず、LPやリスティングでテストマーケティングをして、当たり所を見つけてからしっかりSEOをやっていきましょう』と、お話しさせていただくことが多いです。

木村「5~6年前位だと、リスティング広告でキーワードをものすごくたくさん網羅して、その中でコンバージョンが良いキーワードに注力し、それをSEOでやっていきましょう、というやり方もあったと思うんです。
でも、今はどこもSEOの知見がある程度貯まってきているので、どういうキーワードでユーザーが来るのか、なんとなく分かったりするじゃないですか。そこから外れることってほとんどないと思うんですよ。もちろん、今までに全くない商品やサービスを売る場合はSEOでは難しいと思いますが。」

鎌田「SEOとLPやリスティングという運用型広告という違いはあっても、アプローチの面では僕らも同じです。
例えばウォーターサーバーの商品で、『ウォーターサーバー』っていうキーワードで売れないページが、ロングテールでいくら広げても収益性はないわけですよ。本丸で勝てないのに小さなところで戦っても、今の時代は勝てないと思います。そうした意味では、ロングテールは若干死語になりつつあると感じます。」

木村「実際のところ1番取れるのは、何だかんだ言っていまだに検索数の多いビッグワードですからね。ただ、昔よりも地道に良いコンテンツを作らないと上位に上がりづらい状況をGoogleが作ったじゃないですか。どうしてもリスティングに集中してきていて。
そう考えると、SEOとリスティングは対極にありつつも似ていると思うんです。SEM全般の中では、ですが。でも、より顕在的なニーズがあるのはリスティングなのかなぁ……。」

鎌田「ひと昔前なんかは、リスティング広告というのはより購入に近い人がクリックする、なんていう話もありましたよね。」

木村「言い換えれば、ネットリテラシーが高い人はリスティング広告を踏まないで、自然検索で商品やサービスにたどり着くということですよね。」

鎌田「そうです。そこの部分の切り分けみたいなものが昔はあったかもしれないんですけど、今は『リスティングだから』『SEOだから』という違いはあまりないのかな、と思います。」

ブルー・オーシャンを手に入れるためには何が必要か

interview-kamata-and-kimura02鎌田「ただ、SEOと対極にあるリスティング、つまりキーワード広告に関して言えば、やればやるほど先がない感じはありますね。」

木村「先がないというのは?」

鎌田「SEOはやればやるほど身になる部分があるじゃないですか。でも、リスティングは行きつくところはテクニカルな部分になってくるので、そこで伸ばすのは難しいのかなと。競合他社との入札調整に必ずぶち当たるので。
事業として見たときにリスティング広告は必要ではあるし、やらないわけではないけれど、そこで事業を保っていくのは今の時代は非常に難しいと思います。そうなってくると確実にSEOを外しては考えられなくなってくる。」

木村「でも一方で、キーワードを生み出しているのはGoogleじゃないですよね。ユーザーの欲求が顕在化してキーワードになっている。今、顕在化している市場は競争が激化していますが、逆に言えば新たなキーワードや市場を自分たちが作り出せればそこに可能性はあるんじゃないでしょうか。ブルー・オーシャン戦略的な。ただ、お金や時間だけでなく、人手もかかるし、しかもそれが必ず当たるか、というリスクもありますね。」

鎌田「でも、一度そういうものが作れてしまえば大きい。結局、何が最も費用対効果が高いかというと『指名』なんです。指名される商品やサービスが1番のキーワードになれば独占ですよね。例えば、『宅急便』みたいになれば良いわけで(笑)。」

木村「『黒い猫』と言えば……ってなれば勝ち組ということですよね(笑)。」

鎌田「ははは、そうですね(笑)。でも、僕たちが実際に事業をお手伝いさせていただく中でそういうケースは稀なわけで。僕らはやっぱり、ターゲットとしては中小ベンチャー、『これから成長していくぞ』という企業様をお手伝いしていくことが多いわけです。
やっぱりそこで成果を出そうとすると、不確定要素が非常に多い。『そもそもターゲットは誰ですか?』みたいなところから始めないといけない。
そのときに、SEOから始めるのはリスクがある。まず確実に試したいというところで、LPはけっこう手っ取り早いのかなと。」

B to B向けサイトでは、オンリーワンになる必要はない

木村「我々はSEOコンサルティング会社なので、まずSEOで上げてから母数をとるためにリスティングのような運用型広告の手段を取っていく順番なのですが、運用型広告だけで見ると赤字なんですね。弊社だけでなく、いろいろな業種業界を見てもそういった状況かと思います。鎌田さんはどうお考えですか?」

鎌田「ビジネスモデルにもよりますが、中長期的にみて広告だけというのは、やはり難しいでしょうね。LPやリスティングをやっている僕たちも、裏を返せばSEOで上げられない、リスティングじゃそもそも母数が集められない、といった側面があります。SEOで上げられるなら、その方が良いと感じるときももちろんあって。
例えばB to B(企業間取引)なんかだと、リスティング広告を出しても全然来ない場合も多いです。でも、そうした市場はSEOをしっかり頑張りさえすれば普通に上がることもある。そういうときはSEOをしっかり意識して、最初からサイトを作ってしまった方が良いという判断もします。
目的は、『LPやリスティング広告を作りたい』ではなく、『コンバージョンをとる』ということですから。」

木村「着地点をどうするかですよね。以前、弊社のサービスサイトを御社に依頼したときにも、SEOを売るのにLPは違うな、と感じたんです。『うちのサービスを縦長LPでマインドセットされても、コンバージョンするのかな?』って。だから、サイト制作という形で依頼させていただきました。
そういった形で、B to Bに向く・向かないがあるのではないかと思います。一般的にB to Bはサイトに着地させて、そこから例えばセミナー誘導のLPなどにリマーケティングしていくような手法がスマートなのかな、と思うのですがいかがでしょうか?」

鎌田「B to Bは明確にLPじゃハマらない業種業界がありますね。何回か失敗しているので分かるんですが、例えばシステム系です。人事システムのLPを作ったとしても、反応は来ないです。
なぜなら、B to Bって『自分が欲しい・欲しくない』という軸よりも、会社に言われたから調べるというマインドが働いているので、そこを考慮に入れないといけないんです。」

木村「情報収集的な要素ということでしょうか?」

鎌田「情報収集もそうですね。それから、やらされてる感。自分の欲求で探しているのではなく、会社に言われて仕事として探しているわけですから。
例えば、『ストーリーを見せて最後に価格を見せる』というやり方はLPで定石のひとつなんですが、B to Bでそれをやると『なんだか、このサイト面倒臭いな』って思われて、早い段階でページを閉じられてしまうことが多いんです。その時点でチャンスロスですよね。
だから、B to BのLPをやるときにはナビゲーションを付けるんですよ。最低限ナビゲーションを付けておかないと逃げられちゃうんですよね。『料金』とか分かりやすい軸を提示しておいてあげないといけないんです。」

木村「『料金』、『成功事例』などの軸ですね。」

鎌田「そうです!B to Bのサイトや、他には高単価サイトなどにも当てはまるのですが、オンリーワンになる必要はないんですよ。Webの役割としては、3本の指くらいに入れば良い。
普通、比較検討するときって3社くらいに絞るじゃないですか。そこに入っておけば、Webとしてはオッケーなんです。そこから最終的に選んでいただけるかは、Webではなく実際にお問い合わせいただいた後の営業努力の部分ですから。決して、Webの時点で1番にならなきゃいけないわけじゃないんです。
だから比較しやすいとか、そういうところが大事になってくるんです。割り切りもある種必要ですね。そうじゃないと、普通にページを閉じられて切り捨てられる。」

木村「なるほど!それは面白いですね。」

SEOに関しては検索で上がってくること自体が商品価値

鎌田「会社の求めるものによっても変わってきます。先ほど木村さんもおっしゃってくださいましたが、御社のサービスサイトを作らせていただいたとき、当初の見積もりではサイト制作とLPの両方が入っていたと思うのですが、作っていく過程でLPは省きましたよね。
DM-SさんでLPを作るなら、余程エッヂの効いたものを作らないと意味がないのでは、という話になって結局作らなかったんじゃないかな。」

木村「当時、まだリマーケティングやリターゲティングがなかったと思いますしね。」

鎌田「そもそも大前提として、『SEOサービスをやる会社がSEOで上がってないってどうなんだろう?』っていうのがありましたしね。
その点はSEOをやるなら、絶対付いて回りますから。『サイトにして、コンテンツ充実させて、という設計をしないと、SEOを売るんだったら絶対無理ですよね』というお話をした覚えがあります。」

木村「おかげさまで、あの後『SEO』、『SEO対策』で1位になりました。めっちゃコンバージョンきました!めっちゃお問い合わせありました!ありがとうございます!」

鎌田「そうでしたよね。良かったです(笑)。
僕、実は御社の他にも何社かSEOの会社さんを手伝わせていただいていまして。そのときに『何でSEOという商品を選んだんですか?』って聞くんですけど、基本的にはみなさん『SEOで上位だったから』とおっしゃるんですよね。
これ、弊社でもあるんですけど、『LPOで1位だったから』って。」

木村「ははは。まあ、一般のユーザーからすると、そういうものって、やはりシンプルで強くて分かりやすいということですよね。」

鎌田「ことSEOに関しては、検索に上がってくること自体が商品価値ですからね。」

鎌田氏が感じた「難易度の高さ」

―続いてのお話に移らせていただきたいと思います。以前弊社サービスサイトをギャプライズさんにお願いした経緯もあって、今度は弊社メディアサイトのLPを鎌田さんに依頼させていただきました。今回の依頼の中で、鎌田さんはどうやって攻めようと考えられたのかをお聞かせ願えますか?
—————————————–
(鎌田氏が手がけたLP)
ウォーターサーバーを利用したママさん500人のアンケート人気ランキングトップ5
スマートフォンページはこちら
PCサイトページはこちら
—————————————–
interview-kamata-and-kimura03

鎌田「今回お仕事のミーティングの冒頭で、『かなり難しいっす……』って僕言ったんですよね(笑)。難易度の高さを感じました。
その理由のひとつはまず、市場が激戦区だということ。なまじ僕がこの業界にいて、この市場の激戦に至るまでの歴史を知っている分、余計に難しいなと。
もうひとつは、弊社が今までやってきたナレッジが活かせるのかという部分です。少し属性が違うと感じました。
弊社がLPやLPOをやる中で身につけてきた力というのは、クライアント様がもともと持っている価値を、ヒアリングなどを通して磨いて光らせていくというものです。メディアサイト・比較サイトって、磨いて光らせるとはちょっと方向性が違うじゃないですか。ターゲットのマインドも、買うか否かではなく、どこが良いのかメディアを通して見ることで気付いて、どこかの商品のサイトに飛ぶかどうかですよね。だから、今までの知見を活かすのは難しいかもしれない、と思いました。
そこで、アプローチの仕方を工夫しました。先ほどのインタビューでも話しましたが、違うジャンルの同じビジネスモデルから活用できるものがないか見る、という能力を活かしたいと思いましたね。同業や同じようなサイトからパクるのはダメですが、違うジャンルから活用するのは、マーケッターとして必須の能力ですからね。」

鎌田氏がDM-Sに与えてくれた「気付き」

木村「僕が今回、鎌田さんにお願いしたいと思った経緯をお話しします。
まず、ウォーターサーバーの比較サイトを作って2カ月くらいで3位まで上がったんですね。でもそこから全然コンバージョンしなくて。『比較サイトってコンバージョンして当然の部分もあるのに、何でコンバージョンしないのかな?』って悩んでいたんです。
考えていくと、ユーザーに対しての違和感があったので、まずそれを徹底的になくすことを心がけました。そうやって広告主のサイトにいくハードルを下げていくと、徐々にコンバージョンが生まれた。コンバージョンが生まれれば、コンテンツを作ってユーザーの情報ニーズを満たすことに専念することができて、そこから好循環が生まれた結果、ウォーターサーバーで1位になったんです。
ただ、そこまで来ても、『情報ニーズは満たせたけれど、運用型広告が弱い』という悩みが解消されませんでした。解決策を考えている中で『ギャプライズさんにウォーターサーバーの運用型広告のLPを頼めば良いんだ!』ってひらめいたんです。神田明神のコーヒー屋さんで(笑)。」

鎌田「乙コーヒーだ(笑)。」

木村「そうして、ギャプライズさんに『担当者は鎌田さんが良いです』と指名させていただいた形です。
鎌田さんと実際にお仕事をさせていただく中で素晴らしいと感じたのが、僕に今まで無かった『気付き』を与えてくださる点ですね。僕のいつもの着眼点とは違うんですよ。それが素晴らしくて。いろいろな方のお話を伺いましたが、そういった点では鎌田さんが1番すごいと思います。
例えば、以前インタビューさせていただいたキノトロープの生田さんもすごいんですけど、鎌田さんの場合は現場のトップとしての現場感覚という意味ですごいですね。テクニカルな部分や着眼点を含め、鎌田さんからはいろいろな気付きをいただけています。」

鎌田「そう言っていただけると嬉しいですね。」

木村「LPってそこまでしっかりしたヒアリングやフィードバックを打ち合わせでするイメージがなかったのですが、何度も何度も鎌田さんはしてくださいました。その打ち合わせの場が、そのまま『気付き』の場になっていましたね。
LPの成功だけではなく、オーガニックのサイトにも転用できるアイデアや知見もいただけて、本当に素晴らしかったです。単純なLPの制作費として考えると、すごく高いんですけどね(笑)。でも確実にそれ以上のフィードバックがありました。」

場をもらったら、相手の期待値を1ミリでも超えなければいけない

―今回の案件は2~3月に制作、4月から運用開始という流れになっています。まさに今日のテーマが「成果」なのですが、具体的な数字的な意味に留まらず内容面でも、木村から鎌田さんへの成果のハードルは非常に高かったと思いますが、その点はいかがでしたか?

鎌田「数字的な成果をしっかり出すというのは当然の部分ですね。少なくとも、いただいた金額分のリターンをお渡しする責務があるというのは感じています。さらに、『気付き』を感じていただけた点は僕個人が非常に重要視している部分なので本当にありがたいですね。
新卒のときに、『場をもらったら相手の期待値を1ミリでも超えないとダメだ。1ミリでも超えるまでは帰って来るな』という言葉をいただいたことがあって。今でもそれを忘れずに、ミーティングや成果の中で、相手が今まで気付いていなかったことを提示できれば良いなと考えています。
純粋にそれはビジネスとして次の仕事にもつながりますし、何よりミーティングの場が有用で価値あるものになりますから。そこを感じていただけたのは個人的にも非常に嬉しいです。」

木村「僕がクライアントワークをするときには、『成功させたい』という気持ちが第一にあります。SEOって、順位を上げてセッションを増やして、PVを増やしてというのが1番の目的なので、ある意味非常に分かりやすいんです。成功させるためにリソースを割いて、業務を理解して、仕組みとして『SNSやYouTube動画を活用しましょう』と提案していく。
実際そうしていくと成功率は高くて、僕が手掛けたSEOやコンサルティングって8~9割成功しているのですが、一方であまり『気付きを与える』ということを考えたことがなかったかもしれないですね。
鎌田さんに気付かされて動くことができた、という点が今回あったと思います。どうしても制作って制作会社さんにお任せして受け身になりがちだと思うのですが、今回は我々も積極的に動けた。
それと、まだすべてのコンテンツがそろっているわけではないですが、鎌田さんの与えてくださる視点で『そうそう、こういうコンテンツが今足りなかった!』と気付かせてもらえることも多かったですね。納得して動けたというか、やらされてる感がないというか。」

鎌田「こちらとしてもありがたいことです。」

ギャプライズのスピードとDM-Sのコンテンツ力の相乗効果

木村「さらにギャプライズさんのすごいところって、最終的にギャプライズさんから上がってきたものでそのまま回せてしまうところですね。まだスケジュール的な問題などでご用意できていないものがあるにも関わらず、スタートできてしまう。普通なら止まっちゃいますよね。
スタートラインのレベルが高いんですよ。まだ100%コンテンツがそろっている状態じゃないのに十分スタートできて、順次そこにコンテンツを乗せていける設定になっている。僕らはそこに追いつけるように、今コンテンツを作っているところです。」interview-kamata-and-kimura04

鎌田「その点は意識しているというほどではないですが、提案の時点で150%くらいのものを出して、そこから差し引かれて100%くらいのものにする、という感覚はあるかもしれないですね。
企画系や時間がかかるタイプのコンテンツは、『難しいだろうな』というものでも一度テーブルに載せないと始まらないので。出してみて一定の価値が発見されるものもありますから。最初は『ラーメン全部のせ!』みたいな状態にしますね(笑)。」

木村「アンケートといった、そろえるまでに非常に時間がかかるコンテンツもありますしね。」

鎌田「でも、それはそれで出さないと。やり出す一歩になれることで良くなるものも多いので。例えば500人のアンケートに対して20人分しかまだ集まっていなくても、提案がなければその20人分も0だったわけですから。
もちろんビジネスとしてのバランスは取っていかないといけないので、実現可能性は考慮に入れますが、やっぱり僕らが提案の段階で引いちゃったら、そこからは相手にも引かれていくことがほとんどなので。逆に提案後に盛られていくことってあまりないですから。」

―今回、「鎌田さんからきた提案は、木村はひとまず全部受ける!」みたいな状態でしたよね(笑)。でも実際に「これ、いらないよね」という提案はなかったように思います。

木村「細かなビジュアルの変更などはありましたが、『その提案はいらない』と感じたものはありませんでしたね。どれも素晴らしいと思います。」

鎌田「ありがとうございます。でも、こちらも一緒にお仕事をさせていただいてパワーをもらったというか、引き上げてもらえました。
御社はコンテンツの質が素晴らしいと思います。コンテンツって、やりきった者勝ちの部分があるんですよ。ビジネスになるとどうしても、みんなやろうと思えばやれることをやっていないからダメ、という場合が多いんですけど、御社はそういった部分を徹底的にやりきっていらっしゃるので。」

―コンテンツ力に関しては、DM-Sが自負している部分でもあります。
冒頭で鎌田さんから、LPやリスティングはスピードにメリットがあり、SEOやコンテンツ作りは時間がかかるけれど、良いものを作れば価値が高いというお話がありましたが、今回、そこが上手くマッチしたのではないでしょうか。
コンテンツ作りに力があるDM-Sが必要なコンテンツをしっかり作り、その間にギャプライズさんに最短でLPを作っていただけた。そうして、上手く運用型広告とコンテンツの合致したLPができたのではないかと思います。

木村「今僕らが作っているメディアのコンセプトとしては、いわゆるワードプレスを使ったような汎用のメディアなんですね。だから、僕らがある程度の枠を作って、実作業はアルバイトさんにやってもらっているんです。それでも、かなり高いレベルのメディアを作れています。
そこに、鎌田さんからいただいた気付きや知見を実装していくことで、さらに高レベルにできると期待しています。LPだけではなく、自社の様々なところに活用させていただきたいと考えています。」

鎌田「ぜひ、使えるものはどんどん使ってください!」

オウンドメディア「LPO研究所」によって得られたもの

―では最後に、鎌田さんの「LPO研究所」と、弊社の「デジ研」という、それぞれのオウンドメディアについて語っていただきたいと思います。特に、デジ研はまだ開設して間もなく、LPO研究所を非常に参考にさせていただいている部分もありますよね。

木村「デジ研は、名前からそうですけど、LPO研究所や『バズ部』なんかを参考にしつつ作ったサイトなんです。僕自身、まだ手を掛けられていない部分もあるのですが……。
今ってSEOコンサルティングやコンテンツマーケティングはリスティングをやってもリードが取れないんです。先ほどのインタビューでもあった情報の断捨離じゃないんですけど、僕やDM-Sが持っている知見をアウトプットしてナレッジを共有しないと、DM-Sに興味を持ってもらえない。興味を持ってもらえないと、やはり問い合わせも来ない。だからデジ研を立ち上げたという感じですね。」

鎌田「LPO研究所は、インタビューでもお話した通り、情報発信したいというより、自分の持っているものを捨てたい、吐き出したいというのが最初の動機でした。
ただ、実際に発信してみると思った以上に反響や問い合わせをいただくことができたんです。読むのは同業者だと思っていたので、問い合わせは来ないだろうと思っていたのですが意外にも多くて。しかも、大手さんが多かった。
同業の大手代理店さんなどから広まって、情報感度の高い大手のWeb担当者さんに読んでいただけていたようです。ギャプライズ色を消していたのに、どこが運営しているか探してまで問い合わせてくださって。そういうお客様って、いろんなハードルを越えて問い合わせしてくださっているので、非常に見込み度が高いんですよね。」

木村「記事を読んで、『話を聞いてみたい、一緒に仕事してみたい』と思ってくださった方たちですもんね。」

鎌田「もちろん、自社色を消していたので知らずに来る方もいらっしゃいました。ギャプライズにLPを問い合わせてくださって、お話ししていく中で『実はうちでLPO研究所ってページもやっていまして……』と言うと『本当ですか!?』って既に読んでくれていたりして。そのおかげで一気に営業が楽になる、みたいな(笑)。
結果論ですが、予想以上に多くの方に読んでいただけたことでビジネスの信頼度が上がった部分はありますね。」

オウンドメディアにはどう取り組んでいくべきか

木村「アメリカのスタートアップとかだと、ブログで情報発信しつつ、という形が主流です。それがひとつのモデルだとは思うのですが、LPO研究所は、最初はそれを意図せず情報の断捨離で始めたものが結果として今の形になっているのは面白いですよね。」

鎌田「逆に言えばオウンドメディアって、欲を出すと失敗する部分があると思うんですよ。試しに若干売り込んだ記事とかを出すと、やっぱりシェアされづらいんですよね。だから、『今までの経験を一度すべて捨てる』くらいの気持ちでやっていたことも、上手くいった理由のひとつなのかなと。」

木村「鎌田さんにとっては断捨離だったとしても、その中にある普遍的な情報は変わらないじゃないですか。インタビューでも出てきましたが、アメリカのダイレクトマーケティングの頃から現在まで、基本的なやり方は変わっていないわけですよね。そういうものって、おそらく3年後でも変わらない。そのときに鎌田さんの記事に検索でたどり着いて、そこで気が付く人も多いんじゃないでしょうか。」

鎌田「そうかもしれませんね。それから、オウンドメディアで情報を出していくときには、真似といったレベルではそこまで上手くいかないと思います。『どうぞ真似してください』とは思っているんですけど、同時に『真似だけでは上手くいきませんよ』とも思います。」

木村「そうですよね。スタートの部分や表面的なものだけ真似しても、結局中身が付いてこないと難しいですよね。」

鎌田「あとは、誰が運営をやるかということも重要ですね。例えば、LPO研究所に書いてあることを全部きっちりやったら、確かに成果は出ると思うんです。でもその成果の大きさは誰がそれをやるかという点にも依存すると思います。
自社のマーケティング的な位置付けのブログ、オウンドメディアをどう運営していくかというのは、今どこの企業にとっても課題かもしれません。一つひとつの記事のボリュームや質に求められるレベルが高いですし。
僕がLPO研究所で本当にしんどかった縛りとしては、クライアント様の実際の成果を出せないことですね。」

木村「具体的な数値や金額も出せませんよね。出せても『何倍』とかですよね。」

鎌田「そうなんですよ。そうすると情報の信頼度が一気に薄くなるというか、さらっとしてしまう。コンテンツを出すときも、自社のページでやったものは気兼ねなく出せるんですけど、クライアント様のものはやっぱり出せないので。本当はリスティングの管理画面から何から公開したいんですけど、そういうわけにはいかないので非常にもどかしいですね(笑)。」

―そういう意味では、デジ研は強みがありますよね。例えば、今回のギャプライズさんとの取り組みもSEOやコンテンツはもちろん完全自前で、自社でリスティングも回していますから、公開していけます。

木村「ギャプライズさんと取り組んだウォーターサーバーの比較サイトは、僕が手掛けたSEOの中で1番成功していますからね。キーワード計測している中で3,000くらいあるんですけど10位以内の表示率が92%です。」

鎌田「それ、記事にしたら確実にバズりますね(笑)!
そこでやりきったことをオウンドメディアで出していくだけで、コンテンツとして非常に価値があると思いますよ。あとはいつ出すかのタイミングですね(笑)。」

「LPO研究所」と「デジ研」、それぞれの展望は?

―自社のメディアを持っているからこそ出せるアウトプットというのは、オウンドメディアの先輩であるLPO研究所からデジ研へのアドバイスだと言えるかもしれないですね。
LPO研究所としては、今後どのような情報を公開されていくか、予定などは決まっているのでしょうか?

鎌田「まだネタを貯めている段階なのですが、LPO研究所をバズらせるためにやった、『1,000はてブ(はてなブックマーク)』取るための方法を全部出そうかと思っています。
細かいところで言うと、『うちの役員がこのタイミングでRTする』とかもルール化しているんですね。バズるトリガーって著名人、業界の有名な方、例えばキノトロープの生田さんやキーワードマーケティング研究所の滝井さんといった方がRTしてくれるかどうかなんですよ。
まずそれを戦略的にやりました。ブログを立ち上げる前に、ピンポイントで狙い撃ちでフォロワーを増やすとかね。」

木村「目標『1,000はてブ』っていうのが、まず発想として面白いですよね。」

鎌田「当時はSEO的にも、はてブが強かったということもありましたしね。今は、あまりそこを意識しなくてもちゃんと評価してもらえると思いますが。
とにかく、狙いを定めていかにシェアしてもらうか、非常に細かいところまで裏で考えていました。」

木村「その記事、公開する前にください!(笑)」

鎌田「ははは!(笑)」

―では、今後LPO研究所は今お話しいただいた、とっておきの大砲記事がくるということで。そして、デジ研は自社メディアで蓄えたナレッジを一挙公開していくという形でしょうか。どちらも、これからが楽しみですね。

鎌田「御社が蓄積してきたものは、絶対に出した方が良いと思います。御社がやりきっていらっしゃることは、絶対他社には真似ができないと思いますので。『真似できるもんならやってみろ!』くらいの感じだと思います(笑)。」

木村「そう言っていただけると嬉しいです。本日はありがとうございました!」

鎌田「こちらこそ楽しかったです。ありがとうございました。」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
The following two tabs change content below.
digital-marketing

digital-marketing

デジタルマーケティング研究所では、デジタルマーケティングの施策・広告・技術を、分析・実装・検証して、WEB担当者・マーケティング担当者の方の役立つ情報を発信していきます。

このエントリーにコメントする

必須項目は全て入力してください。